本問題において、この心エコー検査にて心タンポナーデと診断がついたとします。この場合、血圧も低下しているし、優先される治療は心嚢ドレナージになるのでしょうか。
以前参考書(何であったかは忘れてしまいました、、)で、心タンポナーデを合併していても、心嚢ドレナージを先行すると血圧上昇からの再解離、再破裂を招く可能性があるため、置換術が先であると書いているものがありました。
このように血圧低下が著名で心タンポナーデの合併が明らかなとき、選択肢に人工血管置換術と心嚢ドレナージが並んでいた場合、どちらがより優先されるのでしょうか。よろしくお願いします。
下記の文献では「A型解離は手術室での外科的修復が基本であり、手術までの待機時間で循環が維持できない時のみ心嚢穿刺が考慮されるべきとしている」と記載があります。日本のガイドラインでの記載は見つけられませんでしたが、米国のガイドラインでは「手術まで待てない場合において最小限に行うべき」、欧州のガイドラインでは「出血を助長するため有害である可能性がある」と記載されているそうです。
もし両方が選択肢に出題された場合ですが、ガイドラインでさえこのような扱いですので、予めどちらかに決めておかずに問題の空気感を読むのがいいのではないでしょうか。
参考:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjaam/25/10/25_792/_pdfの考察項より
ありがとうございます!とても勉強になりました。どちらか決めるのではなく、状況で判断できるようにしようと思います。
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70歳の女性。胸背部痛のため救急車で搬入された。自宅で家事中に突然、胸背部痛を訴え、その後意識が低下したため夫が救急車を要請した。健診で血圧が高いと指摘されたことがある。ADLは自立しており、発症前の状態はいつもと変わりなかった。搬入時、意識レベルはJCS III-100。心拍数100/分、整。上肢の血圧は 計測不能。下肢の血圧は70mmHg(触診)。呼吸数30/分。SpO2計測不能。頸静脈の怒張を認める。橈骨動脈は両側とも微弱にしか触知しないが、両側頸動脈と両側大腿動脈は触知する。胸部聴診でI音とII音が減弱している。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。四肢に網状皮斑を認める。
最も優先される検査はどれか。