代表挨拶

難解な医学的事象を分かりやすく多くの方に届けたい。

2015年、このスローガンのもとmedu4を立ち上げました。medu4の由来は "medical education of the 4th generation"。つまり、「第4世代型の医学教育」です。

人類の発展に教育は無くてはならないものです。教育なしに現代社会の繁栄は無いと言えましょう。先人の知識をベースに、さらなる研鑽を積むことで私達は進化してきました。この知識は何かしらの形で次世代へと伝達されなくてはなりません。

我々は知識の内容にばかり注目する傾向にあり、実際の知識の伝達方法について見落としがちです。より便利に、より分かりやすく、より多くの方へ、知識を伝えていけるよう、教育の形は時代の流れに合わせて進化してきています。

元々は何かしらの分野で経験的に人より優れた人が「師匠」といった形で弟子を取ることから教育はスタートしました。師匠に付いて日々の生活を送り、可能な限りその秘伝を習得するのです。これを第1世代型教育と定義しましょう。

やがて力を持った「師匠」が複数人の弟子を取り、弟子が弟子をとり、派閥が拡大していきます。すると、大講堂のような場所で指導者がその知識を学びたい者たち(学生)に講義を行うようになります。これが第2世代型教育。現在行われている学校の授業や大学の講義はこの段階です。

実際に生身の人間が講義を行う際、その会場に入れる人数は限定されます。また、1人の人間が開催できる講義の数は時間的にも空間的にも限界があります。そこで現代では事前に収録した講義をビデオの形で多くの人に配信する教育スタイルが普及してきました。この段階を第3世代型教育と呼びます。教育には限定されませんが、YouTubeがよい例でしょう。いつでもどこでも、オンラインで好きな動画をみることができます。

第3世代型教育は第2世代型教育をビデオに収め、多くの方に届けるものでした。が、世界にデジタルが普及し、さらなる良質な教育を求める者たちはここで疑問を感じることになります。教育の中身自体もすべてデジタルにできないか、と。事実、第2世代型教育でも従来は黒板を使っての講義が当たり前でしたが、現代ではPowerPointなどパソコンを使った講義が普及しています。また、講義を公開する前に事前に編集することも必要になります。どれほどのプロ講師でも講義内でミスをします。ミスとまでは呼べなくても、より改善したほうがよい点が講義内に発生するものです。これを学生に届ける前にチェックし、差し替えられたら講義の質は最高のものとなるでしょう。

以上の観点から生み出された、フルデジタル、フル編集、フルオンラインの教育の形が第4世代型です。技術的な都合上、このスタイルが可能になった2010年ころとつい最近です。ですので、まだ全世界の教育者や学生が対応できているわけではありません。しかしながら、おそらく今後数十年はこのスタイルの教育がメインとなるでしょう。medu4はこの第4世代型教育に医学教育ではいち早く特化して取り組んでまいりました。今後も研究を重ね、業界をリードする存在であり続けたいと願います。

medu4は創設当時から一貫して医学部生向けの進級試験、CBT、医師国家試験対策のコンテンツを提供・拡充してまいりました。創設当時は第4世代型の教育についてその必要性や重要性が理解されないこともあり、その推進には多大な苦労がありましたが、時代の流れ(iPad proの発売など)に助けられ、現在は日本の全医学部生の2〜3人に1人がmedu4会員となっています。

これを受け、2019年よりmedu4は医学部のみならず、看護学部や歯学部・薬学部といった医療を提供するスタッフ全体に向けた第4世代型教育の提供を開始しました。過去問検索サービスや講義動画配信、学習者同士が繋がれるソーシャルな仕組み、など徐々に拡充させてまいります。

医学には依然として難解な用語や概念が多く存在します。少しでも多くの方に医学知識についての苦手意識をなくし、楽しく学習を進めてほしい。医師や看護師といった職種にとらわれず、医療従事者全体が健全な環境のもと知識を養成し、患者様に良質な医療を提供してほしい。こうした願いのもと、medu4は日々研鑽を重ね、より充実したサービスを提供してまいります。