《6年生と既卒生》medu4を利用した効果的学習スケジュール

ここでは、受験生(新6年生 or 既卒生)の学習スケジュールについて解説します。

新6年生のうち、5年生以前からすでに学習を開始できている方は別のスケジュールを参照下さい(5年生から始めた場合はこちら、4年生以下から始めた場合はこちら)。

浪人生は昨年度までどれだけ学習を積み上げてきたとしても、このページのスケジュールに従うことを勧めます。これまで数多くの浪人生を見てきましたが、中途半端に「これまで自分はある程度勉強してきたからまぁまぁ知ってる」という心の油断があると年間通じて学習に身が入らない方が多く、有意に不合格になりやすい印象です。初心に立ち返り、これまでの自分とは良い意味でお別れし、一からやり直すことを推奨します

概略図

国試が2月の2週目末にある、というのは仮定です(日程がずれる可能性は十分にあり)。また、実際には1か月に5週ある月もありますが、余裕を見る観点からすべて4週で統一しています。受験生の1年を送るにあたり、想像を絶するくらい時間がない、という意識は常に持っておいて下さい。「国試があと○か月でやってくる」のような悠長な構えではなく、常に明日が国試本番だと思うくらいの姿勢で日々取り組むべきです。

Phase1(4〜6月)

この時期の目標は以下の3つです。

 ①受験生としての勉強ペースをつかむ
 ②自身の "勉強力" を知る
 ③内科外科を1周完了させる

まず①について。国家試験を10か月後に控え、受験生は大量の勉強時間を確保せねばなりません。しかしながら、いきなり毎日10時間勉強できるか、というと体力・気力面で難しいでしょう。まずは毎日コンスタントに4時間を目標にスタートダッシュをかけ、慣れてきたら5時間、6時間、と少しずつ増やして下さい。直前期には(個人差こそあれ)原則毎日10時間は国家試験の勉強に費やす必要があります。

続いて②。(この文章を書いている私も含め)圧倒的大多数の受験人は自身の記憶力や処理力を過信しています。一度学んだだけですべてを覚えられるはずはないのです。3回繰り返しても、5回繰り返しても、忘れるものは忘れます。大切なのは、自分がどれだけ忘れやすいのかを知ること。処理力も同様です。1日に国家試験の問題が50問解けると思っても、実際は30問しか進まなかったり、ということは往々にしてあることでしょう。中には毎日100問解いている、という人もいますが、実際は問題に回答しているだけであって、全然身になっていなかったりすることもあります。大切なのは、自分がどれだけの分量を単位時間にこなせるか知ること。自身と深くまで向き合い、こうした勉強力(個人差がとても大きいです)を把握しておくことがPhase1では欠かせません。

さて、では実際に何を勉強するか。③に示したように内科外科をまずは修了しましょう。具体的には『あたらしい内科外科』の10講座(約100コマ)を3か月で完走してください。土日を予備日(復習や暗記に当てる)として、平日(月〜金)に1日2コマのペースで進めるのが標準的ペースです。『あたらしいシリーズ』の1周目は穴埋めが確実に自力でoutputできることを目安に受講&復習して下さい。臨床像や練習問題は2周目以降で集中すればOKです。

もしかして内科外科だけでは少ないと思いましたか? 1日4コマくらい余裕だと思いませんでしたか?  ......特に浪人生は多くの方がそういう印象を持ちます。が、勉強に本腰を入れ始めたこの時期は一番無理が禁物。もしかしたら5月病にかかって、そこから一切勉強に手がつかなくなるかもしれません。10か月間にわたる長期戦なのです。まずは足腰を固めるべく、自分の思っているより1段階〜2段階丁寧に教材をこなしてください。Phase1で焦りすぎて最後に失速するのでは目も当てられません。

Phase2(7〜9月)

徐々にペースもつかめてきたころかと思います。ただ、もしかしたら想像を絶するくらい不調で、内科外科が半分も終わっていないという人が現れてくるのも毎年あるあるです。

どうしても不調な場合、人間、取り返そうと躍起になります。ギャンブルと同じですね。失ったお金を短期間で取り戻そうとするので、さらにお金を失う。これはいけません。思ったよりペースが悪かったら、1日あたりの勉強時間を増やそうと苦悶するのではなく、1科目あたりの勉強の深みを浅くすることで対処して下さい(習得度が50%程度で満足して先へ進みます)。もちろん深くまでやるに越したことはありませんが、医師国家試験は総合力勝負なので、全科目終わらないというのが一番の不合格リスクです。

さて、Phase2のゴールは以下の3つです。

 ①産小老、マイナー、救中麻公を終わらせて全科目を1周し切る
 ②「やったはず」の事項が少し形を変えてoutputできるか確かめる
 ③模試を1つ受ける

順に解説します。まず①についてはPhase1と同様に『あたらしいシリーズ』を続けて下さい。自分なりの受講スタイルが固まれば順調に進むと思います。9月末までに全科目を1周し切ることができれば典型的な勝ちパターンです。
※言いにくいことですが、全科目の1周が冬ころまでもつれ込んでしまうと典型的な不合格パターンとなります。

②ですが、『あたらしいシリーズ』の穴埋めや掲載のある問題はできても、少しだけ形を変えられると途端にできなくなる方がいます。原因は色々ありますが、一言で言ってしまうと、文脈の中だけで覚えているだけで真の理解ができていないためです。それを確かめる&克服するために『テストゼミ①基礎篇』に取り組んで下さい。『テストゼミ①基礎篇』は科目毎のテスト設定となっているため、すでに修了した範囲の『あたらしいシリーズ』に該当する科目をチェックテストとしてお使いいただくことができます。両講座に問題重複はありませんので、真に『あたらしいシリーズ』の内容が体得できたか、をOUTPUTの形で試すことができます。

この時期に各社予備校の模擬試験を1回受験するとよいでしょう(③)。多くの受験生が受けますので、全国での立ち位置を知ることができます。同時に、現在の自分の実力と国試当日で要求されるレベルの乖離を知ることができ、今後の課題設定が可能になります。

Phase3(10〜12月)

あっという間に国試まであと4か月。業界では「後期」だとか「直前期」だとか言われる時期に入ります。この時期にはやはり以下の3つを意識して学習しましょう。

 ①タテ斬りをヨコ斬りに変換していく
 ②ピンポイントな苦手テーマや形式を克服する
 ③回数別に過去問演習を行う

①。これまで科目毎に『あたらしいシリーズ』を学んできました。しかしながら、実際の国試では問題は順不同です。今解いている問題が産婦人科だったら、次問題は眼科かもしれない、公衆衛生かもしれない。また、1つの問題に2科目以上の知識が要求されるかもしれない。つまりは、科目別・臓器別・分野別に凝り固まった頭を、横断的にクロスリンクできるように変換していかねばならないのです(タテ→ヨコ、と私はよく呼んでいます)。この変換作業にうってつけなのが『テストゼミ②標準篇』。①基礎篇とは異なり、②標準編では科目シャッフルで各テストとも多彩な科目が出題されます。それでいて、あくまでスタンダードな良問が揃っていますので、実戦力を急上昇させることが可能です。予備校各社の模擬試験でも如実にその成果を体感いただけることでしょう。理想は『あたらしいシリーズ』の2周目(臨床像メインで、余力があれば練習問題も)を行いつつ、自分で締め切りを作り、5日程度の間隔でテストゼミを受講できるとよいですね。
 例)「今週は産婦人科と小児科の復習を終えてから、テストゼミの第4回を受けよう!」
『テストゼミ②標準篇』は科目毎の出題ではないため、もちろん↑のように産婦人科と小児科の復習を終えただけでは、マイナーや公衆衛生の問題には十分対応できないかもしれません。でもそれでよいのです。すべてを一気にやるのは無理ですから。大切なのは『あたらしいシリーズ』の2周目にハリをもたせること。これが主たる目的です。

『あたらしいシリーズ』でどれほどローラー作戦的に全分野を網羅学習しても、やはり人により得意・不得意の科目、テーマ、形式は出てきてしまいます。特に苦手事項は癌細胞のようにジワジワ増殖し、試験本番での視界を曇らせてきます。②で示したように、こうした苦手を時間かけて潰すことができるのはもうこの時期しかありません。この対策として、medu4では『特講シリーズ』を用意しています。輸液や抗菌薬、計算問題といった受験生が苦手に思いがちなテーマをピンポイントに絞り、少ないコマ数でビシッと解説した講座です。絶対基準8割を豪語する必修問題の対策も『特講シリーズ』で行えます。困ったときの『裏技・テクニック特講』も是非チェックしてください。

③の回数別は伝統的に99%の国試受験生が対策をしてきます。国試の合格率は90%以上ですので、少数派に入らないことが対策としては重要。理屈うんぬん以前に、99%の受験生がやっていることをやらないで本番に臨む姿勢はいけません。これまた伝統的に多くの方は市販の解説書を読むことで回数別の対策をしてきましたが、medu4では『回数別全問解説講座』を作成し、この苦行にも思える1,000問以上の演習を最大限効率化&スピードupさせます

Phase4(1〜2月)

超直前期です。残された時間もあと僅か。以下の3つのことを実行して下さい。

 ①短期間で全分野を網羅的にまとめ直す
 ②これまでやってきた教材で特に不安なものを見直す
 ③一定ペースで新規の問題にもあたる

①ですが、どうしてもこの時期には "出題予想" に走ってしまう医学部生が散見されます。各所で口を酸っぱくして言っていますが、(予備校講師が予想するような)これまで一度も国試で出題されたことのない斬新知識は合格に一切不要です。なぜならそもそも7割以上が過去問から出題される現代国試において、斬新な新作問題のウエイトは非常に低いためです。現代国試で初出知識が登場する場合、大抵の場合は親切な誘導と選択肢設定があります。つまり大半の問題は「知らなくてもなんとなく多くの人が消去法で解ける」わけです。百歩譲って、超難問だったとしても、正答率はメチャクチャ下がります。正答率が7割を切る問題は合否に直結しないため、そうした問題は初めから捨て問なのです。では捨て問をわざわざ拾いに行くのにあなたはどれだけ犠牲を払いますか? 1つの知識を聞いて、それが的中すれば神でしょう。が、そんなのは奇跡であって、確率論的に期待する余地がありません。おそらくは100個予想して1個当たるか当たらないかでしょう。私だったら、そんな苦行したくないです。100個やってせめて50個以上出る勉強に貴重な時間を費やします

長くなりましたが、もうおわかりですね? この時期には膨大な過去問知識を一気にまとめ直すのが一番コスパ良いのです。もちろん、これまでさんざん過去問はやってきたでしょう。「イマサラ過去問かよ?」という声が聞こえてきそうです。そうです、最後の最後まで過去問なんです。一言で過去問といっても、残念ながら国試の場合は相手が悪すぎます。100回以降に限定したって8,000問程度あります。一般の医学部生が独力で対応できる数でありません。その証拠に例年、国家試験では直近3年分のほぼ同一問題が出題されると正答率が100%近くなりますが、7年くらい前のほぼ同一問題が出ても正答率は悲惨なものです。『あたらしいシリーズ』にそのままの問題が掲載されているにも関わらず、4年以上昔の問題だからという理由だけで多くの受験生が落としてしまうのです。「イマサラ過去問かよ?」という理由から落ち穂拾いに迷走してしまった方がまさしくその過去問同一問題を落とすという矛盾現象は、独力かつ短期間で全分野の重要事項をまとめ直すことが困難な証拠です。

そこでmedu4ではたった10コマで過去問の重要事項をすべてまとめあげる直前講座国試究極MAP』を毎年1月にリリースしています。『国試究極MAP』の113回的中率は64%!(114回は集計中です) たった10コマの中に国試400問中256問が解ける知識が含まれていたのです。落ち穂拾いよりも遥かにコスパがよいと思います。これをPhase4では最低3周しましょう。

②については大学受験等と同じです。これまで学習してきたテキストや受験した模試のうち、何度も間違えてしまうような問題に絞り、最終チェックをして下さい。

ただし、直前期に復習ばかりしていると頭が鈍化してきて、本番で要求される思考力が衰えがちになります。ゆえに③で示したように一定ペースで新しい問題も解き続けるべき。是非そのタイミングで、『テストゼミ③融合篇』と『テストゼミ④予想篇』を受講してみてください。INPUTとOUTPUTの調和がバランスよくなり、国試当日も存分に実力を発揮できることでしょう。
※一部、「直前期には新しいことに手をつけるな!」という意見をお持ちの方もおられます。それも一理あるのですが、これから受験予定の試験の性質に依存するところが大きいと思います。現代の医師国家試験においては、その場で深く潜って思考することで初めて正答に至るタイプの問題が数多く出題されます。こうした問題に立ち向かうためには、復習ばかりで頭を鈍化させるのはうまくないと考えます。国試の前日まで、もっと言えば試験1分前まで頭をactiveにし、考える力を向上させ続けることが肝要です。