114D32

25歳の男性。倦怠感と四肢の紫斑を主訴に来院した。1か月前から倦怠感、2週前から四肢の紫斑が出現し、改善しないため受診した。既往歴に特記すべきことはない。身長172cm、体重58kg。体温37.2℃。脈拍96/分、整。血圧132/82mmHg。胸骨右縁に収縮期駆出性雑音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。浮腫を認めない。血液所見:赤血球190万、Hb 6.6g/dL、Ht 19%、網赤血球0.7%、白血球1,600(好中球11%、好酸球3%、好塩基球2%、単球9%、リンパ球75%)、血小板0.7万。血液生化学所見:総蛋白6.7g/dL、アルブミン4.7g/dL、総ビリルビン0.8mg/dL、直接ビリルビン0.2mg/dL、AST 25U/L、ALT 29U/L、LD 154U/L(基準120〜245)、尿素窒素15mg/dL、クレアチニン0.6mg/dL、尿酸5.8mg/dL。骨髄血塗抹May-Giemsa染色標本に芽球の増加はなく、3血球系に異形成を認めない。染色体分析では46,XY。骨髄組織のH-E染色標本を別に示す。

適応でない薬剤はどれか。

シクロスポリン
アドリアマイシン
抗胸腺グロブリン
副腎皮質ステロイド
トロンボポエチン受容体作動薬

解答: b

114D32の解説

若い男性の倦怠感と四肢の紫斑。汎血球減少がみられており、網赤血球は0.7%と低値(すなわち骨髄での造血自体が低下している)。画像にて骨髄の脂肪髄化がみられているため、再生不良性貧血〈AA〉の診断となる。
a 重症度を問わず、すべてのAAに利用可能な薬剤である。
b 誤り。白血病の治療に用いる抗癌剤。AAには用いない。
c stage 2b以降のAAの第一選択薬。
d stage 2b以降のAAに追加される。
e stage 2b以降のAAの第一選択薬。

正答率:66%

テーマ:再生不良性貧血〈AA〉の治療薬

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