114D33

5歳の男児。顔面と手背の紅斑を主訴に父親に連れられて来院した。1か月前の運動会後に顔面に皮疹が出現して以来、改善しないため受診した。頬部から鼻根部を中心にびまん性紅斑を認める。手背では近位指節間関節、遠位指節間関節、中手指節関節を中心に米粒大の鱗屑を伴う扁平隆起性丘疹の集族を認める。四肢近位筋に把握痛を認める。尿所見:蛋白(−)、糖(−)、潜血(−)。血液所見:赤血球441万、Hb 13.0g/dL、Ht 38%、白血球5,200、血小板30万。血液生化学所見:AST 54U/L、ALT 23U/L、LD 417U/L(基準280〜400)、CK 312U/L(基準30〜140)、アルドラーゼ13.4U/L(基準2.7〜7.5)、Na 138mEq/L、K 3.8mEq/L、Cl 102mEq/L。免疫血清学所見:抗核抗体160倍(基準20以下)、抗dsDNA抗体6IU/mL(基準12以下)。顔面の写真(A)と手背の写真(B)を別に示す。

最も考えられるのはどれか。

皮膚筋炎
線維筋痛症
横紋筋融解症
色素性乾皮症
全身性エリテマトーデス〈SLE〉

解答: a

114D33の解説

5歳男児に皮疹と筋痛(CKやアルドラーゼ上昇からは筋崩壊がありそう)とがみられている。画像BではGottron徴候がみられている。抗核抗体の上昇と合わせ、皮膚筋炎と考えられる。Aは一見、蝶形紅斑様で全身性エリテマトーデス〈SLE〉と思えてしまうかもしれないが、皮膚筋炎でみられても矛盾はない。
a 正しい。上記の通り。
b 身体の各部位における圧痛点をみる。また、筋原性酵素は上昇しない。
c 筋原性酵素の高度上昇やミオグロビン尿(☞尿潜血陽性)をみる。また、皮疹は出現しない。
d 光線過敏に加え、神経や眼の症状もみられるはずである。
e 汎血球減少をみるはず。また、抗dsDNA抗体が上昇する。

正答率:92%

テーマ:皮膚筋炎〈DM〉の診断

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