いつもお世話になっております。
こちらの問題なのですが、第114回解説講座では選択肢dの副腎皮質ステロイドを蛋白同化ステロイドと同じものとして解説されていました。副腎皮質ステロイドは一般に蛋白異化作用を持つと思っていたので疑問に思いフォーラムを参考にしたところ、以前にも同じ疑問を持った方がおり、穂澄先生もそのフォーラムに対して返信なさっていました。その返信の中でガイドラインを参考にするようにとURLが添付されていましたが、参考にすべきガイドラインが違うのではないか、と思い今回投稿させていただきました。先生が提示されていたのは造血幹細胞移植を行う時のガイドラインであり、行わない場合のガイドラインはこちら→http://zoketsushogaihan.com/file/guideline_H30/02.pdfであると思います。
本ガイドラインによるとd.副腎皮質ステロイドの役割はATG投与時のアレルギー防止となっていました。
もし、間違っていましたら申し訳ありません。ご確認よろしくお願いいたします。
出題者が何を意図したか、ですかね。
以下のページにもあるように、副腎皮質ステロイドといった場合、蛋白同化作用をもつものも含めた総称として使われます。
https://www.pharm.or.jp/dictionary/wiki.cgi?%E5%89%AF%E8%85%8E%E7%9A%AE%E8%B3%AA%E3%83%9B%E3%83%AB%E3%83%A2%E3%83%B3
いただいた資料の該当ページ(12ページ)のフローチャートに蛋白同化ステロイド(メテノロン・ダナゾール)は掲載がありますが、プレドニゾロンはその下の文字情報として補足的に示されているにすぎません。つまり、ファーストラインの選択肢が並んでいるなか、あえてcの選択肢に補足的に用いる薬を意図してdを作成したのか、という議論になります。
また、ご指摘の内容で問題を解釈すると、「ATGには副腎皮質ステロイドの併用をする」といった新規知識を覚えなくてはなりません。medu4テキストの基本方針として、医学的知識は超絶膨大なのですべてを覚えきることはできない(し、どうせガイドライン変更等でそのうち変わってしまう)ため、必要ない知識はなるべく覚えなくて良いように構成する、というものがあります。
※もちろん、次回以降の国試で「ATGには副腎皮質ステロイドの併用をする」という知識が出題されたら、テキストと講義を改訂して次年度以降の受講生には覚えてもらう運びとなりますが、それを予想の観点から今すぐ覚えるべきなのか、というと私は違うと思っています。
以上を総合的に踏まえての解説としましたが、もちろん究極的な出題者の意図は不明ですし、ご指摘の内容も正しいと思います。しっくり来る方で押さえていただければ幸いです。
ログインするとコメントを投稿することができます。
25歳の男性。倦怠感と四肢の紫斑を主訴に来院した。1か月前から倦怠感、2週前から四肢の紫斑が出現し、改善しないため受診した。既往歴に特記すべきことはない。身長172cm、体重58kg。体温37.2℃。脈拍96/分、整。血圧132/82mmHg。胸骨右縁に収縮期駆出性雑音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。浮腫を認めない。血液所見:赤血球190万、Hb 6.6g/dL、Ht 19%、網赤血球0.7%、白血球1,600(好中球11%、好酸球3%、好塩基球2%、単球9%、リンパ球75%)、血小板0.7万。血液生化学所見:総蛋白6.7g/dL、アルブミン4.7g/dL、総ビリルビン0.8mg/dL、直接ビリルビン0.2mg/dL、AST 25U/L、ALT 29U/L、LD 154U/L(基準120〜245)、尿素窒素15mg/dL、クレアチニン0.6mg/dL、尿酸5.8mg/dL。骨髄血塗抹May-Giemsa染色標本に芽球の増加はなく、3血球系に異形成を認めない。染色体分析では46,XY。骨髄組織のH-E染色標本を別に示す。
適応でない薬剤はどれか。