114C42

48歳の男性。健康診断で白血球増多を指摘され来院した。1か月前から左腹部の膨満感を自覚していた。体温36.3℃。脈拍72/分、整。血圧126/74mmHg。表在リンパ節を触知しない。脾臓を左肋骨弓下に5cm触知する。血液所見:赤血球450万、Hb 13.8g/dL、Ht 45%、白血球46,000(骨髄芽球1%、前骨髄球3%、骨髄球5%、後骨髄球10%、桿状核好中球15%、分葉核好中球54%、好酸球2%、好塩基球5%、リンパ球5%)、血小板37万。血液生化学所見:総蛋白6.9g/dL、アルブミン4.8g/dL、総ビリルビン0.7mg/dL、直接ビリルビン0.1mg/dL、AST 20U/L、ALT 27U/L、LD 350U/L(基準120〜245)、尿素窒素18mg/dL、クレアチニン0.8mg/dL、尿酸6.8mg/dL。腹部CTを別に示す。

治療方針を決定するために最も重要な検査はどれか。

骨髄染色体
骨髄組織H-E染色
末梢血細胞表面抗原
骨髄血塗抹May-Giemsa染色
末梢血好中球アルカリフォスファターゼスコア

解答: a

114C42の解説

中年男性の白血球増多。白血球は高度上昇し、さまざまな芽球が末梢血に出現している。また、好塩基球の上昇もある。血小板数が基準値上限程度にあること、画像にて巨大脾腫がみられていることなどと合わせ、慢性骨髄性白血病〈CML〉を疑う。
a 正しい。CMLではt(9;22)をみる(Philadelphia染色体)。これが陽性の場合にイマチニブが利用可能となるため、設問文で要求されている「治療方針を決定するため」に最適。
b 芽球の増加を指摘可能だが、治療方針決定につながらない。
c リンパ性白血病や悪性リンパ腫に有効。
d 芽球の増加を指摘可能だが、治療方針決定につながらない。
e NAPスコアは低下するが、治療方針決定につながらない。

正答率:83%

テーマ:慢性骨髄性白血病〈CML〉の治療方針を決定するために重要な検査

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