114C41

59歳の女性。健康診断で便潜血反応陽性を指摘され来院した。下部消化管内視鏡検査が施行され、上行結腸癌と診断された。CT等の画像検査で明らかな転移はなく、右半結腸切除を行うこととなった。身長156cm、体重48kg。体温36.2℃。脈拍72/分、整。血圧108/60mmHg。呼吸数12/分。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。血液所見:赤血球398万、Hb 12.5g/dL、Ht 39%、白血球4,900、血小板14万。血液生化学所見:総蛋白6.6g/dL、アルブミン3.8g/dL、総ビリルビン0.8mg/dL、AST 16U/L、ALT 18U/L、LD 184U/L(基準120〜245)、ALP 202U/L(基準115〜359)、クレアチニン1.0mg/dL、Na 141mEq/L、K 4.0mEq/L、Cl 101mEq/L。

周術期管理で正しいのはどれか。

術前48時間の絶食
術前3時間までの飲水
術中大量輸液
術後3日間のベッド上安静
術後1週間の絶食

解答: b

114C41の解説

上行結腸癌の診断で右半結腸切除を行う中年女性。周術期の管理が問われている。
a ここまで長時間の絶食は不要。
b 正しい。『術前絶飲食ガイドライン』によれば、全身麻酔を要する待機的手術患者の清澄水の摂取は一般に麻酔導入2時間前まで安全とされる。本選択肢は「麻酔導入」ではなく「術前」という形容のため、また国試で出題する際にそこまでギリギリを攻める必要がない、といった事情から1時間加え、3時間で出題されているものと考える。これに習い、国試対策的には「術前3時間まで飲水OK」と押さえておけばよいだろう。
c 術中に輸液をする可能性はあるが、特に脱水所見の記載もない患者に対して「大量」は言い過ぎであろう。
d 術後は早期離床を目指す。3日間安静は長すぎる。
e 術後は早期の経口摂取再開を目指す。1週間の絶食は長すぎる。

正答率:93%

テーマ:周術期の飲水・飲食・安静管理

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