赤血球数も血小板数も下がっておらず、白血球裂孔も出ていないため、急性転化を積極的に疑わないのは分かるのですが、治療方針の決定に必要な検査と言われればNAPスコアを測るべきだと思うのですが、いかがでしょうか?
よろしくお願いします。
疑ってもよいですが、CMLの診断すらついていない現状で「最も重要」とは言えないはずです。
国家試験の問題でよく見る「治療方針を決定するために最も重要な検査」という文言は、「『ある程度疾患の診断がついた後で、その疾患の』治療方針を決定するために最も重要な検査」と読み替えた方が良いと思われます。NAPスコアは、低下する疾患が少ない(CML(急性転化を除く)、PNH、MDS)ため、低下している際にその意義を発揮します(+CML急性転化の際)。CMLの「診断」をつけるには有用ですが、「治療方針の決定」に有用かと言われれば、そうではないと解釈するのが妥当かなと思います(もちろん、診断を絞ることは治療方針の決定につながりますから、結果的には役に立ってるじゃないかと突っ込みたくもなりますが、そこは一旦置いときましょう)。
一方で骨髄染色体の検査は、診断にも治療方針決定(イマチニブ投与の適応or非適応)にも有用ですから、aが一番相応しい選択肢だと思います。
注:NAPスコアが高値を示す疾患は数が多いため、高値で意義があるのは、「CMLの急性転化」、あるいは、「CMLやPNHの除外」の2点だけと覚えておいた方が良さそうです。高値になる疾患をわざわざ調べて覚えるのは無駄足になる可能性が高いということでしょう。
https://www.beckmancoulter.co.jp/dx/blog/hematology/morphology/ALPase/
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48歳の男性。健康診断で白血球増多を指摘され来院した。1か月前から左腹部の膨満感を自覚していた。体温36.3℃。脈拍72/分、整。血圧126/74mmHg。表在リンパ節を触知しない。脾臓を左肋骨弓下に5cm触知する。血液所見:赤血球450万、Hb 13.8g/dL、Ht 45%、白血球46,000(骨髄芽球1%、前骨髄球3%、骨髄球5%、後骨髄球10%、桿状核好中球15%、分葉核好中球54%、好酸球2%、好塩基球5%、リンパ球5%)、血小板37万。血液生化学所見:総蛋白6.9g/dL、アルブミン4.8g/dL、総ビリルビン0.7mg/dL、直接ビリルビン0.1mg/dL、AST 20U/L、ALT 27U/L、LD 350U/L(基準120〜245)、尿素窒素18mg/dL、クレアチニン0.8mg/dL、尿酸6.8mg/dL。腹部CTを別に示す。
治療方針を決定するために最も重要な検査はどれか。