110I71

57歳の女性。全身倦怠感、脱力および食欲不振を主訴に来院した。1か月前から全身倦怠感と食欲不振とを自覚するようになった。数日前から脱力も認めるようになり受診した。50歳時に眼や口腔内の乾燥症状を自覚し、自宅近くの診療所でSjögren症候群と診断され治療を受けている。55歳時に腎結石を指摘されている。身長158cm、体重45kg。体温36.1℃。脈拍64/分、整。血圧124/76mmHg。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。表在リンパ節を触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。下腿に浮腫を認めない。上下肢に徒手筋力テスト4程度の筋力低下を認める。尿所見:pH 7.0、蛋白(―)、糖(―)、潜血(―)。血液所見:赤血球380万、Hb 12.8g/dL、Ht 36%、白血球3,200、血小板16万。血液生化学所見:CK 386U/L(基準30〜140)、尿素窒素20mg/dL、クレアチニン0.6mg/dL、Na 138mEq/L、K 2.3mEq/L、Cl 109mEq/L。CRP 0.2mg/dL。
最も考えられるのはどれか。
原発性アルドステロン症
筋強直性ジストロフィー
尿細管性アシドーシス
Gitelman症候群
多発性筋炎

解答: c

110I71の解説

Sjögren症候群の背景下で腎結石、脱力(低カリウム血症によると思われる)、尿pH高値、高Cl血症がみられている。遠位(I型)尿細管性アシドーシス〈RTA〉が考えやすい。
a 血圧が上昇する。また、尿pH高値はみない。
b・e 筋疾患ではカリウムは低下しない。
c 正しい。上記の通り。
d 低カルシウム尿症をみるため、腎結石はきたさない。また、尿pH高値はみない。

正答率:84%

テーマ:尿細管性アシドーシス〈RTA〉の診断

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