お世話になっております。
「2021あたらしい内科外科①腎」の「5.4 尿細管アシドーシス」において、気になったことがあり投稿しました。
(既出の質問:https://medu4.com/topics/6e4b25046bと関連します)
「RTAの分類」という表で、尿pH:I型>5.5、II型≦5.5と記載されており、穂澄先生はそのように説明されていました。しかしながら、この5.5という値で分かれるのは、「NH4Cl負荷による」尿pHであって、平常の尿pHは、Ⅰ型、II型ともにアルカリ寄りになると思います(通常尿pHは6程度なので、6≦かと)。
NH4Cl負荷試験の意義は、「体内のアシドーシスを助長することで、H+分泌能をみること」にあって、I型RTAでは酸(H+)が捨てられないのでアルカリ寄りになり(>5.5)、II型RTAでは(HCO3-の再吸収ができないだけなので)負荷の影響をモロに受けて酸性寄りになる(≦5.5)ということだと思います。
つまり、「NH4Cl負荷による尿pH」と「平常尿pH」とは区別して考える必要があり、動画の説明ではそこが、ごちゃまぜになっていて、誤解を与える可能性があると思いました。
110I71を解いてテキストで理解しようとした際に、思い至りました。
よろしくお願いします。
https://www.shouman.jp/disease/instructions/02_12_032/
↑参照。「塩化アンモニウム負荷時」に加え、「アシドーシス存在下」でも数値は同じですね。
尿細管性アシドーシス〈RTA〉というネーミング通り、アシドーシスはまずまず存在するわけで、特に「負荷時」に限定して考える必然性もないと僕は考えます。
もっと言えば、我々はCBTや国試対策をしているわけですので、「実はRTAなんだけど、今回はアシドーシスでも塩化アンモニウム負荷時でもないんだよね、超レアケースを出題してみましたー! だからpH 5.5は実はダミーなんです、ひっかかった人たちざんね〜ん!」みたいな異常事態を懸念するがあまり、必要な暗記量を増やすのは本末転倒に思います。
そのへんの総合バランス(どこまで厳密に追って、どこから捨てる or 大雑把でよいか)も過去問の出題に照らして講義内では調整していますので、まぁ信じてついてきていただければ幸い。
「そもそも体がアシドーシスになっているから」という観点が自分に抜けていたと思います。
①RTAで最初から強くアシドーシスが出ている場合
②NH4Cl負荷を与えた場合
いずれの場合にせよ、これらの前提での尿pHにこそ診断的意義があり、着目すべきだから、「II型RTAで平常尿pHがアルカリに傾いている場合など、あえて考える必要がない」ということですね。
勉強になりました。ありがとうございます。
今後とも、よろしくお願いいたします。
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