100F39

46歳の男性。1週前から続く下肢の脱力感と全身倦怠感とを主訴に来院した。生来健康で、一人暮らしをしている。最近は飲酒量が増加し、日本酒を毎日5合飲んでいる。身長170cm、体重63kg。脈拍72/分、整。血圧138/84mmHg。胸部と腹部とに異常はない。下腿に浮腫を認めない。尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)、沈渣に異常はない。尿中Na排泄量150mEq/日、K排泄量52mEq/日(基準25~60)。血清生化学所見:総蛋白6.0g/dL、アルブミン3.5g/dL、尿素窒素13mg/dL、クレアチニン0.8mg/dL、CK 180単位(基準10~40)、Na 135mEq/L、K 2.8mEq/L、Cl 90mEq/L、Ca 7.0mg/dL、Mg 1.5mg/dL(基準1.8~2.5)、アルドステロン8ng/dL(基準5~10)、血漿レニン活性1.5ng/mL/時間(基準1.2~2.5)。
補充療法として最も適切なのはどれか。
ナトリウム
カリウム
カルシウム
マグネシウム
重炭酸イオン

解答: d

100F39の解説

NaもKもClもCaもMgもすべて低下しており、どこから手をつけてよいものか路頭に迷ってしまう。
Mgが低下していると、PTH分泌が低下する。これによりCaが低下する。また、Mgが低下していると、尿細管(主にヘンレ上行脚)からのNa、K、Clの再吸収が低下する。
本患者では食事摂取バランスが怪しいため、すべての電解質異常がMg低値だけで説明がつくかは分からないが、少なくとも第一に補うべきは主犯であるMgだ。

正答率:43%

テーマ:低マグネシウム血症の治療

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