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肝硬変の腹水への輸液

こんにちは、輸液特講を拝見して疑問があります。
肝硬変で腹水を呈している患者に対し、細胞内液を補いたいから3号液を使いたい、という解説はとてもしっくりときました。
しかし、また一方で、肝硬変ではアルブミン低下により血管から水が出て行って腹水などを呈するという病態を考えるならば血管内に水を戻してあげるような輸液をすべきなのではないかと思ってしまいます。97H32ではこういった症例に対し生理食塩水は不適切とあります。
生理食塩水や乳酸リンゲルは血管内だけでなく間質の液量も増やしてしまうということでしょうか?
それならば肝硬変では腹水の治療としてアルブミン補充を行うのも良くない気がするのですが...

回答3件

  • アルブミン補充すれば血漿膠質浸透圧が上がって、血管内に水が戻ってくるイメージでいいのではないでしょうか?

  • 輸液はそのナトリウム含有量で行き先がかわります。リンゲルなど細胞外液は文字通り外液に分布します。外液の成分は体液全体の15%が間質、5%が血管内ですから、当然間質の水も増やします。というより3/4は間質に分布します。

    アルブミンは全て血管内に留まるとされますが、2つ覚えてください。
    5%アルブミンは血圧低下時などに使用
    25%アルブミンは血管内に留まるのみならず、間質から水を血管内に引いてくることができます。
    腹水などに困る時は25%アルブミン+ラシックスなどよく使いますね。効果は限定的ですが、、、

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  • 問題参照 112D43

    47歳の女性。腹部膨満を主訴に来院した。20歳台からアルコールの多飲歴があり、1週間前までワイン1本/日を飲んでいた。3日前から腹部膨満が出現し食事が摂れなくなったため受診した。意識は清明。身長156cm、体重49kg。体温36.3℃。脈拍72/分、整。血圧106/60mmHg。眼險結膜に貧血を認めない。眼球結膜に軽度黄染を認める。頸部から胸部にかけて赤い放射状の皮疹を多数認め、圧迫によって消退する。腹部は膨満しているが圧痛を認めない。下肢に浮腫を認める。血液所見:赤血球325万、Hb 9.4g/dL、Ht 31%、白血球4,000、血小板7.0万、PT-INR 1.4(基準0.9〜1.1)。血液生化学所見:総蛋白5.9g/dL、アルブミン2.5g/dL、総ビリルビン3.2mg/dL、直接ビリルビン0.9mg/dL、AST 56U/L、ALT 40U/L、ALP 280U/L(基準115〜359)、γ-GTP 24U/L(基準8〜50)、アンモニア185μg/dL(基準18〜48)、尿素窒素35mg/dL、クレアチニン0.7mg/dL、Na 131mEq/L、K 3.6mEq/L、Cl 97mEq/L、α-フェトプロテイン〈AFP〉3.1ng/mL(基準20以下)。免疫血清学所見:CRP 1.2mg/dL、HBs抗原陰性、HCV抗体陰性。来院時の腹部CTを別に示す。経口摂取ができないため輸液を開始した。

    初期輸液のNa+濃度(mEq/L)として適切なのはどれか。

    • a 35
    • b 77
    • c 90
    • d 130
    • e 154
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