解決済 110A60 02.内分泌代謝

低カリウム血症によるアルカローシス

アルドステロン症の講義において、アルドステロン作用によってKが低下しセットでH+も低下するのでアルカローシスになると先生がおっしゃっていました。

一方Basedow病の講義では甲状腺機能亢進症によって低Kが引き起こされると説明があったのですが、この時にはアルカローシスが起こらないのでしょうか?

回答1件

  • 1年ほど前の投稿ですが、同じ疑問を抱いた方の参考になればと思い、自分なりの考えを書きます。(自分の頭の整理のためでもあります、、。)

    アルドステロン作用によるKの低下は、腎臓を介した体外への排出が主である点がBasedow病の場合と決定的に異なると思います。
    アルドステロン作用により血中Kが低下(体外へ排出)→代償的に、細胞内からKが血中へ移動 →その代償のため血中のH+が細胞内へ移動 →結果:血液は代謝性アルカローシス
    となる。

    一方、甲状腺ホルモンは細胞のNa/K-ATPase の活性化により血中のK+を細胞内へ移動させる(体外への排出というより、体内での分布の変更)。
    (もちろん、甲状腺機能亢進による発汗亢進や下痢による体外へのK消失もあると思いますが、大部分は細胞内シフトと思われます)

    甲状腺ホルモン作用により、血中K+が細胞内へ移動 →代償的に細胞内H+が血中へ移動 →結果:血液はアシドーシス

    この考えだとむしろ(代謝性)アシドーシスになるのでは?と思いますが
    この問題では酸塩基異常はなく、呼吸数も正常のため、呼吸性の代償(比較的速やか)が完了している状態と考えています。
    (HCO3- + 15 = 24+15=39 でPaCO2の値とほぼ一致している)

    ご指導ご指摘よろしくお願いいたします。

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  • 問題参照 110A60

    40歳の男性。自力で動けなくなったとのことで救急車で搬入された。37歳から「ホルモンか何かの病気」のため自宅近くの医療機関で治療を受けているとのことであるが、通院も内服も不規則だったため病名も含めて詳細は分からないという。以前から時に動けなくなることがあったが、数時間で軽快するためそのままにしていた。本日は起床時に体が動かず起き上がれなくなり、その後もなかなか改善しないため家族が救急車を要請した。身長167cm、体重64kg。脈拍96/分、整。血圧122/70mmHg。呼吸数16/分。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。甲状腺は軽度に腫大している。胸腹部に異常を認めない。四肢に弛緩性で左右対称性の麻痺があり、徒手筋力テストで2程度である。臥位の状態から自力では動けない。感覚障害を認めない。血液生化学所見:Na 140mEq/L、K 1.8mEq/L、Cl 103mEq/L。動脈血ガス分析(room air):pH 7.42、PaCO2 38Torr、PaO2 87Torr、HCO3- 24mEq/L。カリウム含有の補液治療を受け、動けるようになった。
    検索すべき検体検査と予想される異常パターンはどれか。
    • a レニン活性↑、アルドステロン↑
    • b レニン活性↓、アルドステロン↑
    • c レニン活性↓、アルドステロン↓
    • d ACTH↑、コルチゾール↑
    • e ACTH↑、コルチゾール↓
    • f ACTH↓、コルチゾール↑
    • g FT4↑、TSH↓、TRAb陽性
    • h FT4↑、TSH↑、TRAb陰性
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