データベース、動画講義を見て質問があります。
まず動画講義でAld「作用」と仰っているのですが、そもそもACTHは「副腎皮質刺激ホルモン」でアルドステロン、コルチゾール、アンドロゲンの三つを同時に分泌させるホルモンであって、「コルチゾールのみを分泌ホルモン」ではないので、たとえコルチゾールのアルドステロン作用が弱くてもACTH分泌低下によりアルドステロンは低下(それならば血中Na↓、K↑)しているのではと思いました。(質問:二次性副腎皮質機能低下症におけるアルドステロンの分泌はどうなのか)
ご回答いただければ幸いです。宜しくお願い致します。
事実として、107D9と108D59で「下垂体前葉機能低下症では高カリウム血症をきたさない」という出題があります。
が、一部成書では「下垂体前葉機能低下症では高カリウム血症をきたす」という記載もあります。
おそらく、実臨床の場では高カリウム血症をきたす人、きたさない人、ともにいるのでしょう。
medu4教材は過去問での出題を最優先する立場で作成しています。
なぜなら過去問こそが次回以降の国試出題の最大のヒント、得点源となるものであり、受講者の大半がmedu4に望んでいるのはCBTや国試での高得点だからです。
そのため、過去問で2度も出ている知識は正しいものとして解説せねばなりません。
過去問が黒を白だと言ったら、厚労省自身が不適切と認めた例を除き、たとえ黒でも白で教えるのが私達のスタンスです。
私達の体内ではときに拮抗するベクトルの病態が発動しています(A, Bとしましょう)。
今回の例で言えば、Aは高カリウム血症をきたさない方向に、Bは高カリウム血症をきたす方向に働いているはずです。
AもBも実際両方体内では起こっているのでしょう。その患者さんの体内でどちらが強く綱を引っ張るか、で血中のカリウムの値が決まります。
正直、私個人的にはAでもBでもどちらでもよいと思っています。
が、上記でお示ししたようにmedu4のスタンスとして、今回はAの立ち位置を取らざるをえません。
なぜなら、Bの立ち位置を取ると少なくとも過去問が2問説明つかなくなってしまうためです。
「悪問だ」と断じて終わらせる講師や書籍もありますが、学生時代、このようにお茶を濁して結局ごまかされるような解説が僕は大嫌いでした。なので、medu4の運営上はゆらぎなき過去問準拠のスタンスで統一しています。
今回、「頑張りたい人」さんはBのスタンスから議論を繰り広げてくださっているものと思われます。
もちろんおっしゃるベクトルも正しいのでしょう。が、その方針で進めると点がとれません。
もし別のスマートな解説方法があれば教えていただけると幸いです。次年度以降の講義の参考にさせていただきます。
2問の出題後、10年間考えていますが、Aを超えるストーリーは思いつかないのが正直なところです。
国試はクリアカットな問題だけ出題されるとは限りません。なかには微妙なラインをついてくるものもあります。
そうした問題への対処としては一言、「触らぬ神に祟りなし」に尽きると考えています。
過去問どおりでとりあえず覚え、本番で出題されたら総合的に消去法等を駆使して判断する、が最も賢い立ち回りでしょう。
答えのない事象に対し、いろいろ調べたり議論したりして時間を消費するのは惜しまれます。
もしまだでしたら、以下をお読みいただけると幸いです。
https://medu4.com/blog/prioritize
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