国試では指定された個数の選択肢をもっともらしい順に選んで下さい。

日頃学生の方の指導をしていてよく頂く質問があります。
「〜には○○と書いてありました。でもこの国試の過去問ではその選択肢がバツ(or マル;つまりは文献どおりでない)になっています。どうしてでしょうか?」
というものです。

医師国家試験は、その受験生に医師免許を与えるか否かを決する試験にすぎません。すべての可能性を網羅した上で、超厳密な議論をしているわけではないのです。ゆえにたとえ1%の確率でその選択肢通りになる患者さんが臨床の現場ではいたとしても、他に超高確率でみられうる選択肢があれば、そちらに軍配があがります

この傾向は特に近年の国試でよくみられ、正解の余地を残す選択肢であっても、大腕をふるってバツになることが往々にしてあります。90回台や100回台前半の問題では丁寧に「最も考えられるのは」のように誘導をつけてくれていたのですが、近年は「最も」とついていなくても、実質「最も」確からしいものを選ぶ問題が多いです。

几帳面な方ほど腑に落ちないで悩んでしまうことが多いところなのですが、これはもう「そういうもの」と諦めて受け入れるしかありません。実臨床の場でも、今にも死にそうな患者さんを目の前に100通りある可能性をシラミツブシに検討している時間などないのです。優先順位をつけて、もっともらしい原因から順に対応していくスキルが求められます。この観点からすれば、近年のこうした傾向もある意味理にかなっていると言えましょう。

同様に、我々受験生側にも時間はありません。「試験はまだまだ先だ」と今は思っているかもしれませんが、実際試験当日になると「あれ、もうその日になってしまったのか!」とびっくりするものです。予定した計画を完璧にこなして国試を迎えられる受験生は1%にも満たないとよく言われます。逆に言えば、99%の受験生は何かしらやり残しを抱えて国試本番に臨むことになります。分かっているのに計画が終わらない。なんとも愚かしい話ですが、それが人間というものです。つまりは我々に残された時間は極めて少ない、ということです(たとえ3年生や4年生など低学年の方であっても、です)。ですので、そうした複数の文献と国試の過去問を比較して議論している時間はもったいないと思います*。グレーゾーンを残すような選択肢や、問題は合否を分けませんし、あえて深掘りすることで国試的には誤った知識が頭にこびりついて逆に本番で失点する危険もあります。完璧主義を排除し、必要なことだけを優先順位をつけて勉強していくことをオススメします
*同様に「大学のA先生はこういっていたが、B予備校の講師はこう言っていて、C出版社の本にはこう書いてある」のような比較も意味のないことです。違いがあったのであれば、自分にとって最も覚えやすい1つを自分の判断で採用すればそれで十分なのです。

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