タンパク尿は妊娠高血圧症候群で有名ですが、妊娠によって腎血流が増加することで腎臓の負担が増え、腎機能がやや落ちることに原因があります。私は、妊娠高血圧症候群にはいかずとも、同じような病態でタンパク尿がでていると考えました。
妊婦さんに尿検査を頻繁にするのは、妊娠高血圧症候群のチェックでしょう。
ちなみに、この妊婦さんの場合、悪阻で栄養が足りていない状態であるために、解糖系でなくβ酸化によってエネルギーを得ていると考えられると思います。ゆえに、尿中にケトン体も出てくる状態になっています。
バイタルサインと皮膚の乾燥から、高度の脱水があります。よって、脱水による腎機能低下を考えました。尿糖+1もおそらく同じ理由かと思われます。
妊娠で腎臓に負担がかかりやすい状態に脱水等の負荷がかかったため、ということですね。ありがとうございました。
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28歳の初妊婦。妊娠10週で悪心と嘔吐とを主訴に来院した。妊娠7週ごろから悪心と嘔吐とが出現し次第に悪化してきた。1週間前からは経口摂取が困難になり、2日前から自力歩行が困難となったため夫に支えられて来院した。既往歴に特記すべきことはない。意識は清明。身長161cm、妊娠前体重55kgで現在は48kg。体温36.9℃。脈拍92/分、整。血圧92/56mmHg。呼吸数20/分。皮膚は乾燥している。眼球結膜に黄染を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。尿所見:黄褐色で軽度混濁、蛋白3+、糖1+、ケトン体4 +。血液所見:赤血球396万、Hb 14.1g/dL、Ht 42%、白血球13,100。血液生化学所見:総蛋白7.4g/dL、AST 30U/L、ALT 22U/L、血糖92mg/dL、Na 126mEq/L、K 3.6mEq/L、Cl 100mEq/L。CRP 0.2mg/dL。経膣超音波検査で子宮内に胎嚢を認める。胎児心拍は陽性で頭殿長〈CRL〉は33mmである。
まず行うべきなのはどれか。