いつもお世話になっております。
この問題の設定の白血球、CRPの上昇が見られないのはどういう背景が考えられるのでしょうか。
発熱とjolt accentuationがみられることから髄膜炎を疑うことは自然だと思うのですが、
所見からだけで抗菌薬をいくほど細菌性髄膜炎を強く疑う所見があるのかなあと思いました。
上記所見と、昨日からという急性の経過というところから細菌性を疑い、対応が遅れることで予後が悪くなることを恐れて
経験的にまず抗菌薬はいれとこうか、といったところなのでしょうか。
また108B50では髄液検査の髄液検査の結果を待たずに抗菌薬の投与を開始するという選択肢が正解になっていましたが、
こちらでは白血球(好中球優位)、CRPともに上昇がみられており、114e33より細菌性髄膜炎を疑うのが自然な流れであり、
特に疑問は感じませんでした。
あまり問題を解く上では直接的なことではないかもしれませんが、教えていただけると幸いです。
ていこくみんさん
そこまで考えずに発熱・嘔吐・頭痛の3徴で髄膜炎が頭をよぎったらとりあえずエンピリカルに抗菌薬投与して腰椎穿刺!(参考→https://www.slideshare.net/yoshiishii/ss-13448127)!(108B50)と思ってたんですが、あらためて検査値をまじまじと見ているとCRPの著増がないだけでなく白血球が減少していたりたしかに一般的な国試の感染症問題とは毛色が違いますね。
(2021/01/24追記 114E12にあるように、通常は検体をとってから抗菌薬を投与しますが、髄膜炎においては例外的に髄膜穿刺に先行した抗菌薬投与が推奨されているようです。この問題文の通り、血培→抗菌薬(来院1時間以内に!)→髄液採取の順番
http://hospi.sakura.ne.jp/wp/wp-content/themes/generalist/img/medical/jhn-cq-tokyobay-160729.pdf)
左方移動が起きてないので確かに細菌感染症と検査値から言い切るのは難しいですが、CRPのピークが感染後数日であること(CRP低値だからといって感染症を否定してはいけない)を言いたい問題なんでしょうかね? とりあえずこのpdfの内容で検査値(CRP正常&白血球低下・発症24時間以内)の説明はつくと思います。過去問見ると発症後24時間以内の感染症でもCRPや白血球が爆上がりしているのとか多分たくさんありそうですが……
https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/107/9/107_1899/_pdf
2020/12/17 追記
本田孝之『検査値を読むトレーニング』p73によると、細菌性髄膜炎単独では著しい白血球増加や左方移動・CRP著増はないらしいです。脳脊髄領域は循環器系から独立しているため、髄膜炎の病態はやはり髄液で追うべきだそうです。
「細菌性髄膜炎は、白血球数、白血球分画およびCRPでは診断できない」
やっぱりすばらしい本ですね! 他にも何個か重症感染症でも左方移動を呈さないパターンがあるみたいです。
https://www.igaku-shoin.co.jp/book/detail/87545
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23歳の女性。発熱と頭痛を主訴に来院した。昨日から38℃の発熱、頭痛および頻回の嘔吐があり受診した。鼻汁、咽頭痛、咳嗽および排尿時痛はいずれも認めない。意識は清明。身長155cm、体重48kg。体温39.6℃。脈拍104/分、整。血圧108/50mmHg。呼吸数22/分。SpO2 99%(room air)。頸部リンパ節腫脹を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。背部に叩打痛を認めない。項部硬直とKernig徴候を認めないがjolt accentuationを認める。尿所見:蛋白(−)、糖(−)、ケトン体(−)、潜血(−)、白血球(−)。血液所見:赤血球440万、Hb 13.0g/dL、Ht 44%、白血球3,600(桿状核好中球9%、分葉核好中球55%、好酸球3%、好塩基球2%、単球4%、リンパ球27%)、血小板14万。血液生化学所見:尿素窒素26mg/dL、クレアチニン1.1mg/dL、Na 135mEq/L、K 4.1mEq/L、Cl 93mEq/L。CRP 0.3mg/dL。血液培養の検体を採取し、抗菌薬治療を開始した。
次に行うべきなのはどれか。