SSSSは黄色ブドウ球菌による細菌感染であるが、114D24や107A45のように国試上CRPは上がらないようです。SSSSは表皮剥脱毒素が血流にのって全身皮膚へ散布するというのが病態であるため一般的な菌血症とは異なるということでしょうか?この認識であっているのかどなたか教えて頂けると幸いです。
まず、0041 さんの認識について、"菌体が起こす菌血症と、表皮剝脱毒素による全身炎症でCRPに上昇に違いが生じるのか"を疑問に思っている、と受け取りました。
これについての一学生の意見としましては、無いと思います。
理由としましては、CRPはマクロファージとIL-6によって活性化されるという機序を踏まえると、表皮剝脱毒素か菌体かがCRP上昇の有無を分ける単一原因にはなりにくいんじゃ?と考えたからです。黄ブ菌はTSSの原因菌の1つということも脳をよぎりました。
私は以下の流れから、SSSSとCRPは相関性が強くないため、国家試験上は他の情報から解かせたいのだろうと判断しています。
あくまで私の場合ですが、CRPと感染を結んで考えるときはまず「疾患特異性はない(特定や確定診断には役立たない)」「感染/炎症の必要条件ではない(上がってたら疑うが、全例で上がるわけではない=低いからと言って除外はできない)」ことを前提に置きます。
そのうえで、CRP上昇があるかどうかについての判断は
①発症からの経過時間(CRPがピークになるまで2/3日かかる) ②重症か軽症か ③局所感染か全身感染か
の3点で考えております。SSSSなら、③は感染初期は局所→その後全身移行 と解釈しています。
0041 さんの挙げられた2問のうち、後者は①と②の観点から「様子が軽症っぽいし、ピークすぎたからCRP正常内なのかな」と考え、CRPに改めて着目したときも疑問は特に起きませんでした。
問題は前者で、①についてまだピークでないとも、③について局所に留まっている様子とも言えず、これといった理由が浮かびません。②についても具合悪そうですし、CRPが上がってないのは確かに疑問な症例です。
……が、正直なところ過去フォーラム(https://medu4.com/topics/3b0c02129a)とそこで挙げられている114E33をはじめ、SSSSに限らず、「国家試験上、CRP上昇は確実に感染と相関させているわけではない」というのが全体を通じて感じられます。
そしてありがたいことに、大概はより疾患に特異的な所見が記載されています。114D24なら「口囲と鼻周囲の紅斑とともに鱗屑、黄色痂皮を認める」し、107A45では画像が典型的です。
ということで、CRPとSSSSの関連は深掘りせず、「この症例では上がらなかったのかー」くらいにとどめておりました。
以上、拙文ですが参考になれば幸いです。
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3歳の女児。発熱と全身の皮疹を主訴に祖母に連れられて来院した。2日前から38℃台の発熱と顔面の紅斑が出現し、紅斑は昨日から全身に拡大したという。薬剤内服歴はない。体温38.1℃。脈拍132/分、整。血圧96/58mmHg。呼吸数30/分。SpO2 98%(room air)。口囲と鼻周囲の紅斑とともに鱗屑、黄色痂皮を認める。びまん性紅斑は頸部、腋窩、腹部および鼠径部に高度である。患児は接触痛を訴え、元気がなく不機嫌である。頸部の紅斑には小水疱と小膿疱を伴う。眼粘膜と口腔粘膜とに異常を認めない。血液所見:赤血球434万、Hb 12.1g/dL、Ht 35%、白血球12,300、血小板33万。免疫血清学所見:CRP 0.8mg/dL、ASO 230単位(基準250以下)。顔面から胸部にかけての写真を別に示す。
最も考えられるのはどれか。