116F63

【選択肢考察】
ａ　輸血が必要になる可能性を考慮し、血液型をチェックしておく。
ｂ　誤り。前問でも⑤で示したように、細菌感染症は否定的。
ｃ　出血により臓器灌流が低下した場合、血中乳酸値が上昇する。状況を把握するのに適した指標である。
ｄ　輸血が必要になる可能性を考慮し、交差適合試験を行っておく。過去問（115C36や111E56）で「交差適合試験は輸血直前に行うから、しばらく前に行っておくのはNG」という知識が繰り返し出ていたせいか、この選択肢を選んでしまった受験生が約3割。本症例は外傷であり、過去問で出題されていた予定手術とは事情が異なる。喫緊に輸血が必要となる可能性が高いため、現時点で行って構わない。
ｅ　開腹手術の可能性もあるため、出血傾向の背景がないかを確認する。また、播種性血管内凝固〈DIC〉の合併なども判断できる。