113F52

生後1か月の乳児。1か月健康診査のために両親に連れられて来院した。在胎38週、出生体重2,998gで出生した。Apgarスコアは8点(1分)、9点(5分)であった。出生後は完全母乳栄養であり、本日の体重は4,050gである。四肢を活発に動かし、固視を認める。体幹や四肢に2~3cmの皮疹を7個認める。体幹部の皮疹を別に示す。父親には、鼻の周囲に多数の血管線維腫を認める。母親には皮疹を認めない。

両親への対応として適切なのはどれか。

「抗真菌薬を塗りましょう」
「心エコー検査を行いましょう」
「皮疹は自然に消失するでしょう」
「胸部エックス線写真を撮りましょう」
「皮疹が悪性化する可能性があります」

解答: b

113F52の解説

乳児の1か月健康診査。体幹や四肢に2〜3cmの皮疹を7個認めるのが気になる。キーワードは父親にみられている血管線維腫。結節性硬化症を考えたい。本疾患は常染色体優性遺伝〈AD〉するため、父親から子供に遺伝する。
a 真菌感染ではない。
b 正しい。心臓腫瘍がみられることがある。
c 皮疹は消失せず残存する。
d 胸部エックス線で評価すべき異常は合併しない(bの心臓腫瘍は胸部エックス線では同定できる可能性が低い。また、肺リンパ脈管筋腫症〈LAM〉を合併することもあるがこれは妊娠可能年齢の女性に好発する病態であるし、胸部CTならまだしも胸部エックス線は診断的有用性に欠ける)。
e 葉状白斑や血管線維腫は良性病変である。

正答率:56%

テーマ:結節性硬化症の乳児の両親への対応

フォーラムへ投稿

関連トピック