113D67

52歳の男性。脱力を主訴に来院した。3か月前から、帰宅時に駅の階段を途中で休まずには昇れなくなったため受診した。血液検査で抗アセチルコリン受容体抗体が陽性であった。胸部エックス線写真(A)及び胸部造影CT(B)を別に示す。

この患者で検索すべき合併症はどれか。2つ選べ

赤芽球癆
気管支喘息
高尿酸血症
2型糖尿病
低ガンマグロブリン血症

解答: a,e

113D67の解説

中年男性の脱力。抗アセチルコリン受容体抗体が陽性であり、重症筋無力症〈MG〉を想起するのは容易であろう。画像ではAで左胸部の腫瘤影が、Bで左前縦隔腫瘍が指摘可能。MGの背景には胸腺腫があったことを思い出そう。
a 正しい。胸腺腫には赤芽球癆を合併しやすい。
b〜d 特に胸腺腫やMGと関係ない。
e 正しい。胸腺はT細胞の教育の場である。T細胞はB細胞と協力して抗体産生を担う。ゆえに、胸腺腫の存在によりうまくT細胞を教育することができないと、低ガンマグロブリン血症がみられる。

正答率:70%

テーマ:重症筋無力症〈MG〉の合併症

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