112F64

90歳の女性。発熱を主訴に来院した。6年前に脳出血を発症し日常生活動作〈ADL〉が低下したため、現在は介護老人保健施設に入所している。3日前から38℃台の発熱があり、胸部エックス線写真で肺炎と診断された。

この患者の喀痰から検出される可能性が最も高い菌はどれか。

Escherichia coli
Klebsiella pneumoniae
Pseudomonas aeruginosa
Streptococcus pneumoniae
Staphylococcus epidermidis

解答: d

112F64の解説

高齢女性の発熱。下記、※の①(ないし③)を満たすため、医療・介護関連肺炎〈NHCAP〉である。NHCAPの原因菌としては、肺炎球菌(最多)や黄色ブドウ球菌(MRSA含む)、クレブシエラ属などの腸内細菌、緑膿菌が多い。
a 大腸菌である。
b 肺炎桿菌である。原因として多いが、dよりは頻度が低いため正答とはならない。
c 緑膿菌。原因として多いが、dよりは頻度が低いため正答とはならない。
d 正しい。肺炎球菌であり、最も頻度が高い。
e 表皮ブドウ球菌。
※以下、①〜④いずれかの条件下で発生した肺炎を医療・介護関連肺炎〈NHCAP〉と定義する。
 ①長期療養型病床群もしくは介護施設(精神病床含む)に入所中である。
 ②90日以内に病院を退院している。
 ③介護を必要とする高齢者・身体障害者である。
 ④通院にて継続的に血管内治療(透析、抗菌薬、化学療法、免疫抑制薬等)を受けている。
※NHCAPについては111A52も参照。

正答率:39%

テーマ:医療・介護関連肺炎〈NHCAP〉で多い起炎菌

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