112F63

72歳の女性。家屋の火災によって熱傷を負い救急車で搬入された。呼吸困難を訴えたため、酸素投与下に搬送された。意識は清明。体温36.8℃。心拍数120/分、整。血圧150/84mmHg。呼吸数26/分。SpO2 96%(マスク6L/分酸素投与下)。熱傷部位は顔面および両前腕に限られ、前頸部やその他の部位は受傷していない。顔の表面と口腔内には煤が付着しており、鼻毛は焦げている。発語はできるが、嗄声であり、呼吸困難を引き続き訴えている。

行うべき気道確保はどれか。

気管挿管
気管切開
輪状甲状靱帯切開
経鼻エアウェイ挿入
ラリンジアルマスク挿入

解答: a

112F63の解説

高齢女性の熱傷。「顔の表面と口腔内に煤が付着」「鼻毛が焦げている」といった記載より気道熱傷を考える。呼吸困難を訴えており、まず行うべきは気道確保だ。
a 正しい。気管挿管が急がれる。
b 気管挿管に比べ、気管切開には時間がかかる。現時点で行うべきなのは気管挿管だ。
c 超緊急時で気管挿管をする猶予すらない or 気管挿管自体が困難なときに暫定的に行う処置。現在、気管挿管は可能な状況と考えられ、本選択肢は選べない。
d・e 声門上までのAirwayを確保することはできるが、それ以下へ到達できない。気道熱傷では声門以下も傷害されている可能性が高いため、実施しない。

正答率:82%

テーマ:気道熱傷を疑う患者に行うべき気道確保

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