111A52

87歳の男性。意識障害のため施設の職員に連れられて来院した。2日前から38℃台の発熱があり、今朝から意識レベルの低下が認められている。5年前から脳梗塞の後遺症で常時介護が必要な状態であり、1年前から家族による介護が困難となったため、特別養護老人ホームに入所している。胸部エックス線写真で右下肺野に浸潤影を認める。

この患者の肺炎の分類として正しいのはどれか。2つ選べ

市中肺炎
院内肺炎
間質性肺炎
誤嚥性肺炎
医療・介護関連肺炎

解答: d,e

111A52の解説

高齢男性の意識障害。エックス線所見より肺炎を考える。選択肢より適切な肺炎の分類を選択する用語の問題。
a 日常生活内で発症した肺炎を市中肺炎と呼ぶ。本症例は定義をみたさない。
b 医療機関に入院し、48時間以後に発症した肺炎を院内肺炎と呼ぶ。本症例は定義をみたさない。
c 間質性肺炎であれば浸潤影ではなく、スリガラス影や網状影がみられる。
d 正しい。脳梗塞既往があり、誤嚥している可能性が高い。
e 正しい。①長期療養型病床群もしくは介護施設(精神病床含む)に入所中である、②90日以内に病院を退院している、③介護を必要とする高齢者・身体障害者である、④通院にて継続的に血管内治療(透析、抗菌薬、化学療法、免疫抑制薬等)を受けている、①〜④いずれかの条件下で発生した肺炎を医療・介護関連肺炎〈NHCAP〉と定義する。本症例は①③をみたす。

正答率:81%

テーマ:肺炎の分類

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