112D55

日齢12の新生児。呼吸障害のためNICUに入院中である。在胎37週、出生体重2,386g、身長47cmで帝王切開で出生した。筋緊張低下、色白な皮膚、矮小陰茎と停留精巣があり、哺乳障害を認める。FISH法にて15番染色体長腕に微細欠失を認める。

最も考えられるのはどれか。

Werdnig-Hoffmann症候群
Prader-Willi症候群
Klinefelter症候群
Angelman症候群
DiGeorge症候群

解答: b

112D55の解説

筋緊張低下、色白な皮膚、性腺機能低下がみられる新生児。在胎37週と正期産にもかかわらず、出生体重と身長は小さめ。15番染色体長腕に微細欠失がある、とのことでPrader-Willi症候群の診断となる。109B15102E19100B61等、一般問題で頻出の疾患であったが、本格的な臨床問題として提示されるのは初。なお、15番染色体長腕にはメラニン色素に関する遺伝子も含まれる。これが障害されることで色白となる例がある。
a 筋緊張低下はみられるも、性腺機能低下などその他の臨床像がそぐわない。
b 正しい。上記の通り。
c 性腺機能低下はみられるも、高身長を呈する疾患として有名(新生児のため本文からは読み取れないが、Prader-Willi症候群は低身長となる)。筋緊張低下もみない。
d 15番染色体の15q11.2-q13領域に存在する遺伝子異常による病態。遺伝子異常であり、染色体異常ではない。
e 22番染色体の22q11.2の異常による病態。染色体が異なる。

正答率:72%

テーマ:Prader-Willi症候群の診断(15番染色体長腕欠失)

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