112D32

12歳の女児。右大腿部から膝の痛みを主訴に来院した。1か月前に友人とぶつかって転倒した後から、痛みが出現した。様子をみていたが痛みが軽快しないため受診した。身長148cm、体重50kg。体温36.3℃。右股関節前方に圧痛を認める。歩行は疼痛のため困難である。右股関節可動域は屈曲と内旋とに制限がある。血液生化学所見に異常を認めない。股関節のエックス線写真(A〜C)を別に示す。

初期対応として適切なのはどれか。

関節穿刺
減量指導
右下肢の免荷
抗菌薬の投与
股関節の可動域訓練

解答: c

112D32の解説

友人とぶつかる、という衝撃を受けた後から右大腿部〜膝の痛みを訴える女児。関節可動域制限がみられている。Aでは正面像における右股関節の外旋を、BではC(正常)と比べ、大腿骨頭の遷移をみる。大腿骨頭すべり症の診断。本疾患は肥満児に多いが、今回のケースでは身長148cm、体重50kg(BMI 22.8)と肥満はない。
a 関節内に液体貯留している病態にて有効。
b 上述のように肥満はなく、減量指導は必要ない。
c 正しい。適切な初期対応である。
d 細菌感染に有効。
e 股関節に侵襲を加える行為であり、好ましくない。

正答率:94%

テーマ:大腿骨頭すべり症の初期対応

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