112D31

46歳の男性。呼吸困難を主訴に来院した。1か月前から胸部違和感と労作時呼吸困難とを自覚していたが、徐々に増強するため来院した。1週間前までは胸部にヒューヒューという音がしていたが、現在は消失しているという。既往歴に特記すべきことはない。喫煙は40本/日を26年間。胸部エックス線写真を別に示す。

異常所見の原因として最も可能性が高いのはどれか。

肺癌
気胸
血胸
胸膜炎
胸膜中皮腫

解答: a

112D31の解説

中年男性の呼吸困難。1週間前まで胸部にwheezesと思しき音が聴取されていたため、何かしらの原因で気道狭窄があったものと思われる。年齢と長期喫煙歴から推察するに肺癌であろうか。画像では右の全無気肺がみられており、右肺門部にできた肺癌が拡大し、右肺への空気の通行を妨げてしまった可能性が高い。これによる無気肺である。
a 正しい。上記の通り。
b 気胸では虚脱した肺と、リークしたairにより透過性が亢進する(エックス線上での色は黒くなる)。
c 血胸では血液成分の貯留によりniveauがみられる。
d 胸膜炎では胸水が出現することもあるが、原則としてエックス線でここまで華々しい変化はみられない。
e 胸膜中皮腫は緩徐な進行をみる。たった1か月でここまで進行することはない。

正答率:71%

テーマ:無気肺の原因として最も可能性が高いもの

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