112C39

70歳の女性。数か月前から食後に心窩部痛があるため来院した。体温37.1℃。血圧124/62mmHg。眼球結膜に黄染を認める。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。血液所見:赤血球432万、白血球7,600、血小板26万。血液生化学所見:総ビリルビン7.9mg/dL、直接ビリルビン5.2mg/dL、AST 271U/L、ALT 283U/L、ALP 2,118U/L(基準115〜359)、γ-GTP 605U/L(基準8〜50)、アミラーゼ 42U/L(基準37〜160)。CRP 6.1mg/dL。ERCPを別に示す。

最も可能性が高いのはどれか。

原発性胆汁性胆管炎
Mirizzi症候群
総胆管結石
肝細胞癌
胆管癌

解答: e

112C39の解説

高齢女性の食後心窩部痛。AST, ALTの上昇もあるが、それよりもALP, γ-GTP上昇が優位であるため、胆道系トラブルを考える。画像では肝管〜総胆管の狭窄がみられ、胆管癌を考える。
a 原発性胆汁性胆管炎〈PBC〉は肝内に限局した病変がみられる。
b 胆嚢管内の結石が原因となる。本画像では結石が指摘できない。
c b同様、結石が指摘できないため否定的。
d 文字通り、肝内の腫瘤性病変である。肝管〜総胆管を原発としない。
e 正しい。上記の通り。
※なぜかaやbを選んだ受験生が多く、正答率は55%程度。病変の主座を意識した学習をしていない者が多いことの証拠に思える。

正答率:55%

テーマ:胆管癌の診断

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