43歳の女性。意識障害を主訴に救急車で搬入された。一昨日の午後から上腹部痛、背部痛および悪心が出現し、自宅近くの医療機関を受診し鎮痛薬と制吐薬とを処方されたが無効だった。本日早朝から呼びかけに返答できなくなり夫が救急車を要請した。既往歴と家族歴とに特記すべきことはない。喫煙歴と飲酒歴はない。意識は傾眠状態だが唸り声をあげながらうずくまってしまい仰臥位で診察を受けられない。身長162cm、体重60kg。体温37.2℃。心拍数56/分、整。血圧106/58mmHg。呼吸数20/分、深い大きな呼吸で呼気には異臭がする。臍周囲に青紫色の着色斑を認める。尿所見:蛋白(−)、糖4+、ケトン体3+。血液所見:赤血球468万、Hb 14.8g/dL、白血球18,000、血小板10万。血液生化学所見:アルブミン3.2g/dL、アミラーゼ820U/L(基準37〜160)、クレアチニン1.3mg/dL、血糖1,080mg/dL、HbA1c 5.6%(基準4.6〜6.2)、ケトン体8,540μmol/L(基準28〜120)、総コレステロール310mg/dL、トリグリセリド840mg/dL、Na 143mEq/L、K 4.9mEq/L、Cl 93mEq/L、Ca 6.8mg/dL。CRP 24mg/dL。動脈血ガス分析(room air):pH 7.11、PaCO2 27Torr、PaO2 86Torr、HCO3- 15.2mEq/L。胸部エックス線写真で両側に軽度の胸水を認める。頭部CTで異常を認めない。腹部造影CTを別に示す。
静脈路を確保し生理食塩液とともに投与を開始すべきなのはどれか。3つ選べ。
正答率:44%
テーマ:急性膵炎で生理食塩水とともに投与すべきもの