111H21

65歳の男性。ふらつきを主訴に来院した。2週間前から疲れやすさと後頭部痛とを自覚していた。2日前からふらつきも出現したため受診した。意識は清明。身長156cm、体重63kg。体温36.8℃。脈拍64/分、整。血圧172/94mmHg。SpO2 98%(room air)。胸部の聴診でIII音とIV音とを聴取する。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知せず、血管雑音を聴取しない。下肢に浮腫を認めない。血液所見:赤血球415万、Hb 13.0g/dL、白血球8,000、血小板19万。血液生化学所見:血糖102mg/dL、Na 140mEq/L、K 2.8mEq/L、Cl 98mEq/L、Ca 8.4mg/dL、P 4.2mg/dL。安静臥位での血漿レニン活性〈PRA〉0.1ng未満/mL/時間(基準1.2〜2.5)、アルドステロン4ng/dL(基準5〜10)。

改めて確認すべき情報はどれか。

便秘の有無
動物の飼育
常用薬の有無
果物の多量摂取
最近の海外渡航歴

解答: c

111H21の解説

ふらつきを主訴に来院した65歳男性。来院時高血圧を認め、血中カリウムが低下しているためアルドステロン症を考える。血漿レニン活性もアルドステロン値も低値であることから偽性アルドステロン症を考える。
a 便秘患者が排便時にいきむことで一過性に高血圧になることはあっても、レニンやアルドステロン値まで変化する長期的な高血圧にはならない。
b 動物の因子が原因となるアレルギー性疾患で血圧が変動することはあるも、改めて確認するほどのことではない。
c 正しい。グリチルリチン製剤を常用することで偽性アルドステロン症を呈することがある。
d 果物の多量摂取では血中カリウムが増加する。
e 輸入感染症で血圧が変動することはあるも、発熱もみられていない本患者で改めて確認するほどのことではない。

正答率:96%

テーマ:偽性アルドステロン症疑いの患者に確認すべき情報

フォーラムへ投稿

関連トピック