110C19

55歳の女性。飛び降りによる腹部外傷のため救急車で搬入された。1か月前に胃癌と診断され、ここ数日は絶望して気持ちが不安定になっていた。今朝、自宅マンションの8階から飛び降りて受傷した。大量の腹腔内出血があり救命のためには速やかな開腹止血術が必要である。ショック状態で患者の意識はなく、意思の表示はできない。患者本人は以前から癌に対する手術治療を拒否していたが、救急車で付き添って来た夫は開腹止血術や救命治療を希望している。
リスボン宣言に基づく対応はどれか。
速やかに開腹止血術を行う。
開腹止血術以外の方法で経過をみる。
院内倫理委員会を開催するよう要請する。
本人と配偶者との意見が異なるため、他の家族の意見を待つ。
多職種カンファレンスで方針を決定するまで治療を行わない。

解答: a

110C19の解説

リスボン宣言と自殺については必修超頻出事項である。108F12107F1106H14103C2など類例を解いてみよう。
a〜e 患者本人による救命を拒否する意思表示が確認できない以上、リスボン宣言に基づき直ちに救命処置を行うべきである。本文の記載によればa以外の選択肢では患者の救命はできない。ゆえにaが正しい。

正答率:94%

テーマ:飛び降り自殺企図・リスボン宣言に基づく対応

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし