109I67

7か月の乳児。発熱のため母親に連れられて来院した。2日前の昼過ぎから発熱があり就寝前の体温は39.0℃であった。昨日も38.9℃の発熱があったが他に目立った症状はなかった。食欲は良好で、普段より軟らかい便が2回あった。元気に泣いている。体重6.5kg。体温39.1℃。脈拍148/分、整。SpO2 99%(room air)。眼球結膜に充血を認めない。口蓋垂近くの軟口蓋に紅斑を認める。口蓋扁桃に腫脹や白苔を認めない。頸部リンパ節を触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。皮疹を認めない。尿所見に異常を認めない。血液所見:赤血球466万、Hb 12.9g/dL、Ht 42%、白血球3,500、血小板18万。CRP 0.5mg/dL。特に加療することなく経過観察としたところ、受診翌日の体温は36.6℃で腹部に皮疹が出現した。
この患児で注意すべき合併症はどれか。
難聴
急性脳症
急性小脳失調症
亜急性硬化性全脳炎
免疫性血小板減少性紫斑病

解答: b

109I67の解説

「元気に泣いている」がキーワード(105I54などでも「機嫌がよい」と記載あり)。この他、解熱後の発疹・軟口蓋の紅斑(永山斑)などから突発性発疹の診断とする。
a 流行性耳下腺炎に感音難聴を合併する。
b 正しい。知識として知らなければ厳しいかもしれないが、突発性発疹に熱性けいれんを合併しやすいことと消去法から正答に至りたい。
c 水痘やインフルエンザウイルス感染に急性小脳失調を合併する。
d 麻疹感染に亜急性硬化性全脳炎〈SSPE〉を合併する。
e 免疫性血小板減少性紫斑病〈ITP〉には風疹感染が先行しやすい。

正答率:59%

テーマ:突発性発疹の合併症

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