109I68

57歳の女性。全身性エリテマトーデス〈SLE〉の治療のため入院中である。6週前に副腎皮質ステロイドとシクロホスファミドとの点滴を受け、現在はプレドニゾロン40mg/日とプロトンポンプ阻害薬とを内服している。3日前から腹痛と下痢とが続いている。意識は清明。体温37.6℃。脈拍96/分、整。血圧140/80mmHg。呼吸数18/分。口腔内に異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は膨満し、臍部を中心に強い圧痛がある。筋性防御はない。肝・脾を触知しない。原因検索のため行った下部消化管内視鏡像(A、B)と粘膜生検のH-E染色標本(C)とを別に示す。
腹痛と下痢の原因として最も考えられるのはどれか。
サイトメガロウイルス
黄色ブドウ球菌
アスペルギルス
ノカルジア
カンジダ

解答: a

109I68の解説

易感染性の状況下で腸炎がみられている(画像A,Bにて下部消化管の粘膜びらんや潰瘍を指摘可能)。画像Cより、封入体も指摘できるため、サイトメガロウイルス感染の診断となる。
a 正しい。上記の通り。
b 食中毒の一環で腸炎をみることはあるが、そうしたエピソードが本症例にはない。
c・d 腸炎はみない。
e 口腔や食道にカンジダが日和見感染することはあるが、腸炎はまれ。

正答率:81%

テーマ:ステロイド投与中のサイトメガロウイルス腸炎の診断

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