109D46

34歳の男性。糖尿病の精査目的に来院した。18歳時の健康診断で尿糖陽性を指摘されたがそのままにしていた。視力低下のため昨日、眼科を受診し増殖前糖尿病網膜症と診断され、紹介されて受診した。父親が糖尿病である。身長167cm、体重86kg。脈拍88/分、整。血圧182/96mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、血管雑音を聴取しない。下腿に軽度の浮腫を認める。尿所見:蛋白1+、糖2+、潜血(−)、アルブミン排泄量350mg/gCr(基準30未満)。血液生化学所見:アルブミン3.9g/dL、クレアチニン1.2mg/dL、空腹時血糖165mg/dL、HbA1c 8.9%(基準4.6〜6.2)、HDLコレステロール35mg/dL、LDLコレステロール145mg/dL、トリグリセリド230mg/dL、Na 145mEq/L、K 4.3mEq/L、Cl 109mEq/L。
食事療法とともに開始すべき内科的治療として適切なのはどれか。
インスリン
チアゾリジン薬
スルホニル尿素薬
サイアザイド系利尿薬
アンジオテンシン受容体拮抗薬

解答: e

109D46の解説

糖尿病コントロールの悪い30代男性。神経障害の記載はないが、腎障害と網膜症の双方がみられている。
a 家族歴や肥満があり、2型糖尿病と考えられる。現時点でのインスリンは不適切。
b・c 実質的にほぼ初診であり、まずは食事療法を試すべき。
d 浮腫は軽度であり、必要性は低い。
e 正しい。血圧が高く、降圧薬が必要となる。尿蛋白が出現しており、腎障害がみられている。腎保護作用も狙い、アンジオテンシン受容体拮抗薬を投与する。

正答率:65%

テーマ:糖尿病と高血圧症をみる患者の治療薬

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