108D54

6歳の男児。左肘の痛みと腫れを主訴に母親に連れられて来院した。遊具から転落し左肘をついて受傷したとのことである。来院時、右手で左肘を支え、動かそうとしない。左肘部に開放創はないが、肘部全体に高度な腫脹を認める。手指の感覚障害は本人の協力が得られず不明だが、手指の自動運動は可能で、橈骨動脈の拍動は手関節部で良好に触知する。肘関節のエックス線写真(A、B)を別に示す。
考えられるのはどれか。2つ選べ
肘内障
肘関節脱臼
Monteggia骨折
上腕骨顆上骨折
上腕骨外側顆骨折

解答: b,e

108D54の解説

「遊具から転落し左肘をついて受傷」という記載からはaの肘内障を除外できる。が、b~eについてはエックス線を確実に読影する必要があり、難しい。
a 両親に腕を上方へ引っ張られて生じることが多い。
b 正しい。肘頭と肘頭窩が離開している。肘関節の脱臼を考えたい。
c 尺骨骨幹部骨折と橈骨頭脱臼の合併をMonteggia骨折と呼ぶ。いずれも認めていない。
d 上腕骨顆上骨折は109I61107I18で出題あり。本問では骨折線がみられない。
e 正しい。上腕骨外側顆に骨折がみられる。

正答率:59%

テーマ:肘関節脱臼と上腕骨外側顆骨折の診断

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