107G55

25歳の男性。吐血を主訴に来院した。友人と酒を飲み、トイレで嘔吐した。最初の吐物は食物残渣であったが、2、3回嘔吐を繰り返すうちに血液を嘔吐した。便器が赤くなるほどの量だったので驚いて受診した。体温36.2℃。脈拍88/分。血圧128/72mmHg。眼瞼結膜に異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、圧痛を認めない。腸雑音は軽度亢進している。直腸指診で異常を認めない。
診断に最も有用な検査はどれか。
腹部CT
腹部血管造影
上部消化管造影
腹部超音波検査
上部消化管内視鏡検査

解答: e

107G55の解説

若い男性が酒を飲んで嘔吐をした後に吐血をみており、Mallory-Weiss症候群〈MWS〉や特発性食道破裂を考えたい。バイタルは安定しており、全層が断裂しているとは考えにくく、MWSを予想しつつ検査に移行する。
a・b・d 腹部の検査であり、食道の精査には向かない。
c 特発性食道破裂では96A32にあるように上部消化管造影を行うこともある。が、本患者ではMWSの方が考えやすいため、より侵襲が低く同時に治療まで行えるeを先に試みるべきであろう。
e 正しい。上部消化管内視鏡検査に食道の裂創が同定できる。同時に出血部位をクリッピングして治療を行うことも可能である。

正答率:90%

テーマ:吐血を主訴に来院した男性の診断に最も有用な検査

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