107E49

65歳の女性。全身倦怠感を主訴に来院した。1か月前に全身倦怠感が出現し、徐々に増悪した。2週前に知人に皮膚の黄染を指摘された。既往歴に特記すべきことはない。体温36.6℃。眼球結膜に黄染を認める。血液所見:赤血球374万、Hb 12.0g/dL、Ht 36%、白血球7,700、血小板19万。血液生化学所見:総蛋白6.3g/dL、アルブミン3.5g/dL、尿素窒素7mg/dL、クレアチニン0.5mg/dL、総ビリルビン12.8mg/dL、直接ビリルビン9.6mg/dL、AST 140U/L、ALT 283U/L、LD 210U/L(基準176~353)、ALP 1,970U/L(基準115~359)、γ-GTP 399U/L(基準8~50)。CRP 0.4mg/dL。
認められる可能性が最も高いのはどれか。
脾腫
肝腫大
黄色腫
灰白色便
くも状血管腫

解答: d

107E49の解説

高齢女性の黄疸。直接ビリルビン優位の黄疸であるため、肝での抱合後に生じた閉塞性黄疸が考えやすい。AST/ALTの上昇に比べ、ALPの上昇が高度であり、肝臓のトラブルよりも胆道系のトラブルと思われる。むろん一番見逃してはならないのは胆道癌である。
a・b・e 肝硬変にてみられる。
c 高コレステロール血症が長期持続した例でみられる。肝胆膵疾患では原発性胆汁性胆管炎〈PBC〉にてみられることがあるが、この場合でも長期化した例であり1か月ではみられない。
d 正しい。閉塞性黄疸では灰白色便がみられる。

正答率:72%

テーマ:閉塞性黄疸で認められる可能性の高い所見

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