107E50

13歳の男子。左殿部の痛みを主訴に来院した。2日前、運動後に左殿部の痛みを自覚し、その後同部に腫れも出現した。同様のエピソードは過去に経験したことがないという。意識は清明。体温36.2℃。脈拍84/分、整。血圧116/72mmHg。左殿部は硬く腫脹し、圧痛を認める。発赤と皮疹とを認めない。血液所見:赤血球375万、Hb 11.2g/dL、Ht 35%、白血球6,800、血小板38万、PT 11.0秒(基準10~14)、APTT 56.0秒(基準対照32.2)、フィブリノゲン220mg/dL(基準200~400)、血清FDP 12μg/dL(基準10以下)。CRP 0.3mg/dL。
殿部痛の原因として最も考えられるのはどれか。
帯状疱疹
筋肉内出血
坐骨神経痛
腸腰筋膿瘍
大腿骨頭壊死

解答: b

107E50の解説

13歳男子の殿部痛。PTは正常だが、APTTに延長がみられる。血友病が考えやすい。「左殿部は硬く腫脹し、圧痛を認める」とあるのは深部出血による血腫の存在を示唆している。
a 帯状疱疹では支配神経領域に一致した皮疹が出現する。
b 正しい。殿部の筋肉内に深部出血している可能性が高い。
c 坐骨神経痛では左殿部が硬く腫脹しない。
d 腸腰筋膿瘍では発熱や白血球上昇など炎症所見をみる。
e 大腿骨頭壊死では左殿部が硬く腫脹しない。

正答率:95%

テーマ:筋肉内出血の診断

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