107A51

84歳の男性。左膝の痛みと発熱とを主訴に来院した。一昨日に日帰りのバス旅行に参加した。昨日から左膝の痛みと39℃の発熱とが出現した。本日は痛みのため歩行が困難になり受診した。体温37.7℃。脈拍84/分、整。血圧148/82mmHg。呼吸数14/分。左膝に腫脹、熱感および圧痛を認める。血液所見:赤血球405万、Hb 13.0g/dL、Ht 41%、白血球9,200、血小板32万。血液生化学所見:尿素窒素19mg/dL、クレアチニン0.9mg/dL、尿酸5.5mg/dL、AST 28U/L、ALT 26U/L、LD 258U/L(基準176~353)、Na 140mEq/L、K 4.5mEq/L、Cl 104mEq/L。CRP 8.7mg/dL。左膝関節エックス線写真を別に示す。
関節穿刺液中に認められる結晶はどれか。
尿酸ナトリウム
リン酸カルシウム
シュウ酸カルシウム
ピロリン酸カルシウム
ハイドロキシアパタイト

解答: d

107A51の解説

高齢男性の膝痛と発熱。画像にて膝の関節包内に線状石灰化がみられることから、偽痛風が考えやすい。
a 尿酸値は5.5mg/dLと基準値内であり、否定的。
b 結晶誘発性関節炎の原因となるが、エックス線上では関節周囲の雲状陰影がみられる。
c 尿路結石の原因として有名。関節にも沈着することがあるが、稀である。本症例の臨床像から真っ先に想起すべきものではない。
d 正しい。偽痛風の原因はピロリン酸カルシウムの関節内沈着である。
e ハイドロキシアパタイトはリン酸カルシウムの1つである。

正答率:91%

テーマ:偽痛風患者の関節穿刺液中に認められる結晶

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