107A52

19歳の男性。発熱とのどの痛みとを主訴に来院した。2日前から咽頭痛と39℃の発熱が出現し、市販の総合感冒薬を内服したが、症状が改善しなかった。意識は清明。体温38.2℃。脈拍92/分、整。血圧110/70mmHg。両側の頸部に圧痛を伴う径1.5cmのリンパ節をそれぞれ3個触知する。咽頭粘膜の発赤を認める。偽膜を伴う扁桃腫大を認める。呼吸音に異常を認めない。右肋骨弓下に肝を3cm、左肋骨弓下に脾を2cm触知する。血液所見:赤血球475万、Hb 15.2g/dL、Ht 45%、白血球16,000(分葉核好中球26%、好酸球3%、単球4%、リンパ球37%、異型リンパ球30%)、血小板28万。血液生化学所見:総蛋白7.4g/dL、尿素窒素22mg/dL、総ビリルビン1.2mg/dL、AST 50U/L、ALT 88U/L。CRP 5.3mg/dL。
確定診断に最も有用な検査はどれか。
咽頭培養
骨髄穿刺
リンパ節生検
鼻腔ぬぐい液迅速検査
血清ウイルス抗体価測定

解答: e

107A52の解説

若年者の強烈な咽頭痛では、(1)溶連菌感染、(2)アデノウイルス感染、(3)伝染性単核球症〈IM〉などを考える。本症例では肝脾腫や異型リンパ球の増加がみられ、IMが考えやすい。
a (1)を疑った場合に有効。
b 白血病を疑った場合に有効。
c 悪性リンパ腫を疑った場合に有効。
d インフルエンザウイルス感染を疑った場合に有効。
e 正しい。IMでは血清ウイルス抗体価(抗VCA抗体や抗EBNA抗体)の測定が有効。

正答率:68%

テーマ:伝染性単核球症〈伝染性単核症〉〈IM〉の検査

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