106I60

23歳の女性。全身倦怠感を主訴に来院した。2週前から著明な口渇、多飲および多尿をきたした。数日前から全身倦怠感が出現し、改善しないため受診した。意識は清明。身長158cm、体重45kg。体温36.7℃。脈拍116/分、整。血圧92/64mmHg。呼吸数28/分。SpO2 98%(room air)。皮膚のツルゴールは低下している。尿ケトン体3+。血液生化学所見:随時血糖385mg/dL、HbA1c 10.4%(基準4.3~5.8)、尿素窒素30mg/dL、クレアチニン1.3mg/dL、Na 133mEq/L、K 4.9mEq/L、Cl 96mEq/L。動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH 7.26、PaCO2 16Torr、PaO2 105Torr、HCO3- 7mEq/L。
現時点の対応として適切なのはどれか。
生理食塩液の輸液
スルホニル尿素薬の投与
重炭酸ナトリウムの静注
遅効型インスリンの皮下注
速効型インスリンの大量急速静注

解答: a

106I60の解説

多飲、多尿、口渇のエピソードがあり、尿中ケトン体陽性と代謝性アシドーシスが認められる。年齢からI型糖尿病によるケトアシドーシスが考えられる。
a 正しい。脱水に対してまずは補液を行う。
b 高血糖に対してはインスリンが使われることがある。
c 重炭酸ナトリウム投与でアシドーシスが補正されると急激にカリウムが低下するため、基本的にはアシドーシス補正はしない。
d 遅効型インスリンでは効果発現が遅いので不適。
e インスリンの急速静注では血糖が急激に低下し、カリウムの低下するため行わない。

正答率:77%

テーマ:糖尿病性ケトアシドーシス〈DKA〉への対応

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