104D22

71歳の女性。高血圧症の通院加療中に血液生化学所見の異常を指摘され来院した。腹痛はない。血液所見:赤血球407万、Hb 13.0 g/dL、Ht 39%、白血球7,800、血小板26万。血液生化学所見:アルブミン3.8 g/dL、総ビリルビン2.2 mg/dL、AST 160 U/L、ALT 186 U/L、ALP 1,652 U/L(基準115~359)、アミラーゼ62 U/L(基準37~160)。免疫学所見:CEA 2.9 ng/mL(基準5以下)、CA19-9 82 U/mL(基準37以下)。上部消化管内視鏡写真(A)と磁気共鳴胆管膵管像〈MRCP〉(B)とを別に示す。
この患者で誤っているのはどれか。
動揺性の黄疸を呈する。
膵・胆管合流異常を伴う。
肝内胆管の拡張がみられる。
膵頭十二指腸切除術を行う。
膵体部癌よりも予後は良好である。

解答: b

104D22の解説

上部消化管内視鏡写真ではVater乳頭部の腫大を認め、MRCPでは肝内胆管および総胆管の拡張を認める。血液検査では肝酵素の上昇とCA19-9が高値である。以上より十二指腸乳頭部癌を考える。
a 十二指腸乳頭部癌の特徴。
b 誤り。MRCPを見る限り、膵・胆管合流異常は認めない。
c 上述の通りである。
d 十二指腸乳頭部癌の一般的な外科治療法である。
e 膵体部癌の方が予後不良である。

正答率:50%

テーマ:十二指腸乳頭部癌について

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