103D57

55歳の女性。息切れを主訴に来院した。30歳時から心拡大と不整脈とを指摘されていた。数年前から階段を昇るときに息切れを自覚するようになり次第に増悪した。心エコー図(A、B)を別に示す。
心臓の聴診所見はどれか。

解答: f

103D57の解説

息切れを主訴とする55歳女性。心エコー図(A)では左房拡大を認める。Mモード(B)では僧帽弁前尖後退速度〈DDR〉が低下している。僧帽弁狭窄症〈MS〉の診断であり、MSの聴診所見を選ぶ問題。
a 収縮前期で駆出性雑音を認めている。機能性雑音であり弁膜症の雑音ではない。
b 収縮期駆出性雑音を認める。大動脈弁狭窄症〈AS〉や閉塞性肥大型心筋症〈HOCM〉で認める。
c 収縮後期に雑音を認める。僧帽弁逸脱症〈MVP〉で認める。
d 汎収縮期雑音(pansystolic murmur)であり、僧帽弁閉鎖不全症〈MR〉や心室中隔欠損症〈VSD〉で認める。
e 拡張早期に逆流性雑音を認めており、肺動脈弁閉鎖不全症〈PR〉や大動脈弁閉鎖不全症〈AR〉を考える雑音である。
f 正しい。拡張中期の雑音と雑音開始前に僧帽弁開放音〈OS〉も認めている。MSの聴診所見である。
g 連続性雑音である。動脈管開存症やValsalva洞動脈瘤破裂で認める。

正答率:64%

テーマ:僧帽弁狭窄症〈MS〉の聴診所見

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