103C25

55歳の男性。夜間、突然の呼吸困難のため搬入された。5年前に拡張型心筋症の診断を受けている。喘鳴が著明でピンク色の泡沫状喀痰排出があった。マスクで酸素投与(6L/分)を開始した。呼吸数24/分。脈拍124/分、整。血圧98/78 mmHg。動脈血ガス分析(自発呼吸):pH 7.28、PaO2 68 Torr、PaCO2 52 Torr。胸部エックス線写真は両側肺門部を中心に蝶形陰影を呈する。
まず投与すべき薬剤はどれか。
アルブミン
重炭酸ナトリウム
プレドニゾロン
フロセミド
プロプラノロール

解答: d

103C25の解説

夜間の呼吸困難を主訴とする55歳男性。泡沫状喀痰を認め、胸部エックス線写真では両側肺門部を中心に蝶形陰影を呈しており、肺水腫と考える。拡張型心筋症を指摘されていることから、低心機能を原因とした急性左心不全と診断する。
a 低アルブミン血症の記載はない。また、アルブミン単独投与により循環血液量が増加し心不全が増悪する可能性がある。使用する場合は必ず利尿剤も投与する。
b 重炭酸ナトリウムは代謝性アシドーシスの補正の際に用いる。本症例は呼吸性アシドーシスであり、不適切である。
c プレドニゾロンはステロイド薬であり、本症例には不要である。
d 正しい。フロセミドの投与により肺うっ血を改善させる。
e プロプラノロールはβ遮断薬である。急性期の使用で陰性変力作用により心不全の増悪をきたすため禁忌である。

正答率:88%

テーマ:心原性肺水腫の治療薬

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