解決済 114A56 12.小児科

腸管ガスと壁気腫について

いつもお世話になっております。
小児科の問題(114A-56)で、free airを認めることから消化管閉塞ではなく消化管穿孔である、ということは理解できたのですが、画像でmultiple bubbleのように見えているものは結局何なのでしょうか。壊死性腸炎なので、腸が壊死してしまうことで腸の動きが滞り、その結果としてガスが溜まったもの(小腸閉塞によるmultiple bubbleと同じもの?)でしょうか。それとも、壁気腫がこのように見えたりすることがあるのでしょうか。
どなたか教えて頂けたら嬉しいです。

回答2件

  • 質問拝見いたしました。
    壁気腫は文字通り腸管壁に気泡があることで腸管壁がぼやけるイメージなので,
    本症例に見られているかは微妙だと私は思います…(学生なので微妙な判断です)
    が, 実際の壁気腫は, 少なくとも質問者様の意図されているものとは異なると思います。
    わかりやすい画像がありますので, 参考にしてください。
    https://blog.goo.ne.jp/comment_allez-vous_madame/e/9deb85ab627dbf9184a7f8f2067e29cb

    さてそれでは一体multiple bubbleのように見えるものは一体何なのかということですが, びまん性の腸管ガス像とでも言いましょうか, 「腸管の動きが滞り, その結果としてガスが溜まったもの」という解釈で良いかと思われます。
    腸雑音は減弱していますし, 麻痺性イレウスのような状態でしょうか。
    左側臥位X線で, 腸管より背側(下側)に液体貯留がみられるような気がするのですがどう思われますでしょうか。
    もしそう考えるとfree airと合わせて, 消化管穿孔を選ぶ大きな後押しとなると思います。

    臨床像としては, 超低出生体重児かつ人工栄養児(どちらも壊死性腸炎のリスク)であり, 日齢的にも壊死性腸炎を起こしそうな患者であるとは思います。血圧が低下していることからはショックを念頭に, やはり(壊死性腸炎に合併した?)消化管穿孔などを考えるべきでしょうね。

    multiple bubble signについて, 過去に似たようなトピックを見つけたため参考にどうぞ。
    このトピックでは, 「ニボーがあれば消化管閉塞を積極的に考えよう」「臨床像から総合的な判断を」という結論になっています。
    小腸閉鎖 vs 鎖肛:https://medu4.com/topics/1501261073

    • 大変詳しく回答していただきありがとうございます。
      結論として、本問においてmultiple bubbleのように見えるものは「腸管の動きが滞り, その結果としてガスが溜まったもの」という解釈で納得致しました。
      教えていただいた壁気腫の参考画像が大変参考になりましたが、この画像においても本問と同じような「ガスが溜まったもの」が見えていますね。
      さらに、今思うと小腸閉鎖によるmultiple bubble signと比べて本問ではガス像が少しぐちゃぐちゃに見えているというか、それこそ腸管壁の境界がめちゃくちゃになっているような気がしました。
      「左側臥位X線で, 腸管より背側(下側)に液体貯留がみられるような気がする」ということに関しては、どの部分かはっきりとわかりませんでした...(完全に僕の勉強不足です。free airの下の部分ではないですよね...)。
      また、過去のトピックも大変参考になりました。
      しかしながら、このトピックを読んでいてniveauとmultiple bubble signの違いが分からなくなってしまいました...。
      自分で考えた結論としては、
      niveau=「腸管の空気と腸管内容物の境が水平の液面形成すること」で、腸閉塞の際に見られる。
      対して、新生児や乳児の腸内には腸管内容物がまだ少ない。よって、先天性小腸閉鎖症などでは主にガスのみが溜まっていくためniveauではなくmultiple bubble signとなる。
      となったのですが、どう思われますでしょうか。
      重ねて質問してしまって申し訳ありません。

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  • 問題参照 114A56

    日齢6の新生児。NICUに入院中である。常位胎盤早期剥離のため緊急帝王切開で出生した。在胎26週4日、出生体重750gであった。出生6分で気管挿管が行われ、10分後には開眼した。その後NICU入院となり、呼吸管理を受けている。入院後、経口胃管を挿入し、日齢1から少量のミルクを開始した。本日、ミルク注入前に胃内にミルクが残っており、腹部が軽度膨満していた。体温36.7℃。心拍数124/分、整。血圧52/24mmHg。呼吸数48/分。SpO2 99%(FIO2 0.25)。大泉門は平坦で、心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は軽度膨満があり、腸雑音は減弱している。四肢の運動があり、筋緊張に異常を認めない。胸腹部エックス線写真(臥位正面および左側臥位正面像)(A、B)を別に示す。

    考えられる疾患はどれか。

    • a 気胸
    • b 肝腫瘍
    • c 消化管穿孔
    • d 消化管閉鎖
    • e 横隔膜ヘルニア
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