107I7の問題でdcmと虚血性心筋症の鑑別のための検査で造影が正答となっておりますが、dcmであれば全体の壁運動の低下が顕著に見ることができると思いますが、なぜより手間のかかる造影が正答となるのでしょうか。
かずtaka 様
【なぜより手間のかかる造影が正答となるのでしょうか】(*注1より)
虚血性心筋症では冠動脈走行に一致した壁運動低下が特徴です。
しかし、虚血性心筋症でびまん性壁運動低下、また、DCMで不均一な壁運動低下がみられる場合があります。
したがって、DCMと虚血性心筋症の鑑別は、壁運動の評価だけでは不十分です。
DCMは冠動脈疾患の合併がないので、冠動脈造影を行うことで冠動脈疾患を除外する根拠になりえます。
以上から、手間がかかっても造影が正答になると考えられます。
*注1 心筋症診療ガイドライン(2018年改訂版) p60, 63 http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2018_tsutsui_kitaoka.pdf
【補足】
DCMの診断には、類似した心筋症を除外する必要があります。
心不全増悪による入院で最多である虚血性心筋症は必ず最初に鑑別します。
【該当するテキストページ】
*2019あたらしい内科・外科 ⑦ 循環器 p 158
一番最初の穴になっています。
*2019あたらしい内科・外科 ⑦ 循環器 p 167
問題175が同一問題(107I7)で、講義内で解説されています。
【参考問題】
<113F74>
びまん性壁運動低下だからといって心筋梗塞を除外しません。
答えは考えなくても当てられますが、診断プロセスを考える上で意義深い出題と思います。
かずtaka様の最初の疑問であった、DCMで造影をするのかという疑問の参考になれば幸いです。↓
113F74
<107F21>
基礎疾患なし/若い/収縮力低下と左室拡大から拡張型心筋症を疑う。
そこでさらに冠動脈造影を行うというエピソード。
こちらの出題も疑問の参考になれば幸いです。↓
107F21
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