解決済 109G54 10.神経

甲状腺機能低下症

TSH上昇傾向、FT4低下から始めは(原発性)甲状腺機能低下症と診断、治療されたけど、実際は下垂体腫瘍のせいでTSHをたくさん作りたいけど作れず、TSHは軽度上昇に留まり、FT4は低下、と先生の解説を解釈しました。私が分からないのは、結局この患者は原発性の甲状腺機能低下症を持っているのかどうかということです。解説では初めの(原発性)甲状腺機能低下症の診断は誤りであるような言い方をされたように感じましたが、もし原発性甲状腺機能低下症が無いとしたら、甲状腺自体は正常に働くはずなので、TSHが正常上限ギリギリまで出ている状況でFT4が低下していることが納得できません。私は「原発性甲状腺機能低下症+下垂体腫瘍」だと思うのですが、これは私が先生の解説を勘違いして捉えているのでしょうか?みなさんの考えを教えてもらえるとうれしいです!

回答13件

  • 回答失礼します。
    自分も質問者さんの考え方を拝見させていただき確かに!!と思ったのですが、よく見るとFT4の値が低下しているにも関わらずTSHが正常値でf/bを受けていないように感じとれます。(質問はそこに対する疑問ですが)

    なので私個人としましては
    「下垂体腫瘍でTSHが減少 → 甲状腺ホルモンが低下 → TSHがf/bを受けるも下垂体腫瘍の影響で基準値を超えるほどのTSHを出せない → 甲状腺ホルモンが基準値に戻りきれない → TSHが基準値上限なのに甲状腺ホルモンは基準値を下回る一見甲状腺機能低下のような現象がおこる。」

    以上のように私は下垂体スタートで考えました。

    稚拙な文章ですが、一つ参考になれば幸いです。

  • ドスコイ高崎さんの解説にagreeです。
    うまく伝わっていなかったとしたら申し訳ないのですが、講義内でもその趣旨で解説しました。
    また原発性甲状腺機能低下症あるとしたら、たとえ「最も」という設問文であったとしても選択肢eは入れないはずです。

  • 上と異なる意見となり、誠に申し訳ないのですが、下垂体の非機能腺腫によりTSHが低下したのが大元とするのであれば、甲状腺のホルモンが低下したとしても、フィードバックする中枢は下垂体でなく視床下部に思え、視床下部のTRHホルモン上昇によって間接的に下垂体TSHホルモンが上昇したとしても、根本が下垂体ホルモンTSH低下であれば、正常上限まで上昇しないように思います。
    111A27のようにもう少し低くなるのではないでしょうか。

  • ご回答ありがとうございます。
    111A27の問題を拝見致しました。

    提示していただいた問題ではプロラクチンの高度上昇が見られます。加えてTRHにはプロラクチンを増加させる作用がございますので、これまたf/bによってTRH低下が予測されます。

    つまり甲状腺から視床下部、下垂体に対して十分なf/bを受けることができていないと考えられるので、TSHは上限いっぱいの値を取らないのではないでしょうか?また、103H30の問題がちょうど甲状腺とプロラクチンの影響を表していると思います。

    P.S.
    自身の回答で甲状腺からのf/bを下垂体と書き、誤解を与えてしまいました。申し訳ありません。

  • みなさん、ありがとうございます。
    ドスコイ高崎さんの解説を読んで、とてもスッキリ納得できました。どうしても内分泌は2周目ループは考えない、という原則が染み付
    いており(それ自体はいいことだと思いますが‥‥)、FSHが一旦下がって、そのあとf/bによって高値になる、という考えが浮かびませんでした。私の考えと真の正解の違いは、甲状腺ホルモンがなぜ低下したのか、というとこにあると思いますが、その原因として原発性の甲状腺機能低下症を考えるよりは、下垂体腫瘍を疑ったほうが、疾患が1つとなり、より妥当、スマートだなと理解できました。

    ほずみん先生の、選択肢からの考察も実際の試験本番などでは有用だと感じました。ありがとうございます。

    たろやんさんの考えを読んで、どこにフィードバックするかは置いといて、元はと言えば下垂体にあるFSHを出す細胞が非機能腺腫によって圧迫(破壊)されてFSHが出せないから甲状腺ホルモンが低値になっていたはずなのに、フィードバックを受けると正常高値ギリギリまでFSHを出している(まだ余力があったんじゃないか!)、というのは違和感を感じました。甲状腺ホルモン系のフィードバックにどの程度のラグがあるのか分かりませんが、もしそんなにラグが無いのならFSHの低下に伴って下流の甲状腺ホルモンが低下したあとにすぐフィードバックでFSHを出しそうなものですが、、、

    111A27の問題については、私の考えでは、単に非機能腺腫がどこにできるかの問題で、117A27のときは視床下部から下垂体へのPIFシグナルの経路がやられてPRL高値、FSHは影響を受けず正常、今回の109G54ではFSH産生細胞が特に圧迫(破壊)されてFSH低下、というだけな気がします。

    これ以上考えることはあまり意味がないかもしれませんが、トピックを解決済みにするのは明日か明後日にしようと思います。

    みなさん、本当にありがとうございました!!

    • 「まだ余力があったんじゃないか!という違和感」はたろやんさんの意見に対するもののように読めてしまいますが、そうではなく、むしろ、たろやんさんにagreeということです。

      あとめっちゃ長くなってすみません。

    • ご返信ありがとうございます。参考にしていただき回答した甲斐がありました。
      細かいことで申し訳ないのですがもしかして上記のFSHはTSHのことでしょうか?

    • あ、、、、、、
      全てTSHの誤りです!すみません

  • 質問者様
    回答有難うございます。フィードバックの力は凄いようですね。一度出た結論と異なる意見を申し上げるのは躊躇がありましたが、質問者様の違和感と共通しており、またそれを言語化させて頂く形となったという点で、お役に立てたのなら幸いです。また、機能腺腫は特定のホルモンを上昇させ、非機能腺腫は全てのホルモンを抑制させると私は思っておりましたが、そうではないのですね。有難うございます。

  • ドスコイ高崎様
    111A27は、プロラクチノーマと解釈するか非機能腺腫と解釈するかにもよると思いますが、TRHによるPRL増強作用も関係してそうですね。なるほどと思いました。有難うございます。明らかにプロラクチノーマである109A56でも、111A27と同様の値となっているようですね。御提示頂きました103H30ですが、甲状腺は関係していますでしょうか。よろしくお願い申し上げます。

    • 回答失礼いたします。

      103H30についてなのですが、私個人と致しましては甲状腺機能低下によるうつ傾向であると解釈致しました。

      まず何らかの影響で甲状腺ホルモンの低下が引き起こされ、それに伴うf/bによりTRHが上昇しその結果プロラクチンを高値にしたことで無月経が生じたと考えました。

      以上よりTRHと甲状腺ホルモンとの関係性についてご参考になればと思い、掲載致しました。

  • 非常に活発な議論をしてますね。
    機序と検査データを比較検討するのは非常に良い勉強方法だと思うのですが、おそらく出題者は診断基準を参考に検査データを与えているだけではないでしょうか。
    診断基準上の検査値ですが、
    ・原発性甲状腺機能低下症では「遊離T4低値およびTSH高値」
    ・中枢性甲状腺機能低下症では「遊離T4低値でTSHが低値~正常」
    となっております。参考までにどうぞ。

  • Tchy様
    端的にわかりやすい説明を有難うございます。本問で重要なのは甲状腺機能低下が、原発性か中枢性かということであり、仰せの内容や、(甲状腺ホルモンの効果が発現するまでどのぐらいの時間がかかるかはわかりませんが)投与後も症状は軽快していないという点からも中枢性であると言えそうですね。
    中枢性の場合のTSHは低値〜正常と診断基準上でなっていて、正常の上限か下限かはあまり気にしなくていいということですね。有難うございます。話を複雑化してしまい申し訳ございませんでした。

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  • 問題参照 109G54

    63歳の男性。頭痛と複視とを主訴に来院した。半年前に下腿浮腫、筋力低下、倦怠感および皮膚乾燥があり自宅近くの診療所を受診した。TSH 3.7μU/mL(基準0.4〜4.0)、FT4 0.3ng/dL(基準0.8〜1.8)の検査結果から甲状腺ホルモン補充療法(レボチロキシン50μg/日)が開始された。2か月前から食欲が低下し体重も減少してきていた。今朝、突然に右前額部痛、嘔吐および複視が出現したため救急外来を受診した。意識は清明。身長169cm、体重69kg(2か月前は75kg)。体温36.8℃。脈拍80/分、整。血圧154/92mmHg。右眼瞼下垂と右眼球外転偏位とを認める。四肢麻痺はない。頭部単純MRIのT1強調像の矢状断像(A)と冠状断像(B)を別に示す。
    基礎疾患として最も考えられるのはどれか。
    • a 髄膜腫
    • b 動静脈奇形
    • c 下垂体腫瘍
    • d 内頸動脈瘤
    • e 原発性甲状腺機能低下症
  • 関連トピック

    なし