解決済 115D32 03.血液

(赤血球)輸血の適応について

日頃からお世話になっております。

標題通り赤血球輸血の適応についてですが、正直言ってどの段階を目安に赤血球輸血を行うかが未だに分かりません。
血小板については活動性出血なら≦5万、慢性ならさらに低い値と個人的には記憶しておりますが、それも正しいでしょうか?

https://medu4.com/topics/8012300120

↑の方も拝見させていただきましたが、急性や慢性・原疾患の病態によっても変わるでしょうし、赤血球輸血・血小板輸血を行う大まかな目安を教えていただければ幸いです。

回答1件

  • 血液製剤の使用指針があります。
    https://www.mhlw.go.jp/content/11127000/000493546.pdf

    ご指摘のように病態によって異なりますが、以下の理解で良いと考えます。

    ・赤血球輸血はHbが7未満が「多くの場合」トリガー値
    ≪注≫貧血であるかと貧血症状の有無は別。同じHb値でも、それが急激な低下か緩徐な低下かでは症状の度合いも異なります。輸血するか否かの判断、輸血後の経過では臨床症状も重要な要素となります。
    ⇨上記より、115D32はHb6.5の高度貧血かつ、貧血による症状出現があるため赤血球輸血の適応と言えます。

    血小板輸血については
    ・血小板数が 5 万/μL 以上不要。
    ・血小板数が 1~5 万/μL では場合によっては血小板輸血が必要。
    血小板数が 1 万/μL 未満では血小板輸血が必要
    ≪注≫一般的に血小板減少では皮下出血や歯肉出血など浅い出血がキーワードですが、血小板数の大幅な低下は脳内出血など危険な出血を伴うこともあります。
    ⇨上記より、115A43 では血小板1.0 万であり血小板輸血が必要です。

    参考までに…
    ・新鮮凍結血漿は凝固因子の補充を目的とします。
    ・トリガー値としては以下がありますが国試では参考程度でいいと考えます
    PT
    (i)INR 2.0 以上 または
    (ii)30%以下
    APTT
    (i)各医療機関における基準の上限の 2 倍以上,または
    (ii)25%以下
    フィブリノゲン値
    150mg/dL 以下,またはこれ以下に進展する危険性がある場合

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  • 問題参照 115D32

    78歳の男性。全身倦怠感を主訴に来院した。約1か月前から全身倦怠感があり増悪するため受診した。意識は清明。脈拍88/分、整。血圧130/84mmHg。眼瞼結膜は貧血様であるが眼球結膜に黄染を認めない。胸骨右縁第2肋間を最強点とする収縮期駆出性雑音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。血液所見:赤血球185万、Hb 6.5g/dL、Ht 21%、白血球2,600(骨髄芽球0%、桿状核好中球3%、分葉核好中球50%、好酸球1%、好塩基球1%、単球2%、リンパ球43%)、血小板9.2万。血液生化学所見:総蛋白6.7g/dL、アルブミン3.4g/dL、総ビリルビン0.7mg/dL、AST 21U/L、ALT 11U/L、LD 240U/L(基準120〜245)、尿素窒素17 mg/dL、クレアチニン0.8mg/dL、尿酸5.2mg/dL、血清鉄120μg/dL(基準80〜170)、TIBC 280μg/dL(基準290〜390)、フェリチン120ng/mL(基準20〜120)、エリスロポエチン180mIU/mL(基準4.2〜23.7)。骨髄は正形成で骨髄塗抹標本では3系統の造血細胞に異形成を高頻度に認めた。骨髄細胞の染色体は正常核型であった。

    この患者への対応で適切なのはどれか。

    • a 赤血球輸血
    • b 鉄キレート剤の投与
    • c 同種造血幹細胞移植
    • d 副腎皮質ステロイドの投与
    • e トロンボポエチン受容体作動薬の投与
  • 関連トピック

    なし