116B37

28歳の初妊婦。妊娠23週4日、性器出血を主訴に来院した。妊娠初期から妊婦健康診査を受けていたが特に異常は認めなかった。昨夜から下腹部痛を自覚し、今朝性器出血を認めたため心配になり受診した。身長154cm、体重56kg(非妊時52kg)。体温37.1℃。脈拍88/分、整。血圧126/74mmHg。呼吸数18/分。腹部は妊娠子宮で膨隆し、柔らかい。腟鏡診で分泌物は粘液性で少量の血液が混じっている。経腹超音波検査では正常脈で足位の児を認める。経腟超音波画像を別に示す。

まず行うのはどれか。

外回転術
緊急帝王切開
子宮頸管縫縮術
β2刺激薬の点滴静注
副腎皮質ステロイドの筋注

解答: d

116B37の解説

【プロセス】
①妊娠23週
②昨夜から下腹部痛を自覚し、今朝性器出血
③経腟超音波画像にて内子宮口の楔状開大〈funneling〉
④児は足位(骨盤位)
☞①③より切迫早産の診断。これにより②がみられている。

【選択肢考察】
a 骨盤位の矯正術である。妊娠末期に行えばよく、あえて切迫早産という現在の危機下に行う必要はない。
b 妊娠23週であり、可能であれば帝王切開以外の手段で妊娠継続を図りたい。
c 子宮頸管無力症への術式。古典的な出題であるが、切迫早産による頸管の短縮がみられたからといって、それは頸管無力症とは限らないので注意。
d 正しい。子宮収縮抑制薬。切迫早産に対する第一選択薬である。
e 妊娠34週未満の早産で胎児の肺成熟が未熟と予想される状況下、かつ喫緊に出生の可能性がある場合に用いられる。現時点では子宮収縮抑制薬の投与により妊娠継続できる可能性が高いため、まず投与するものではない。

正答率:64%

テーマ:切迫早産への対応

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